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D.o.A. ep.1~7

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Ep.7 始まりの終わり



「訊きたいことがある」

夕暮れのなか、彼らは相対していた。
一方はひどく途惑っているが、対する一方は、いざ決戦にでも赴かんばかりの張り詰めた表情である。

「……えっと、どこかで会ったっけ」
たっぷり一分は経た頃、ライルはやっとそれだけを発する。一分黙ってこちらの出方を窺うあたり、この青年、結構気が長い。
「そんなことはどうでもいい」
「ああ、うん。そうだな。どうでもいいよな。 …でもさ、」
苛立ったような返しに、確かに意味のない質問をしたと、ライルは苦笑を浮かべる。そして、紅く染まった空を顎で示して、荷物を抱えなおした。
「ここじゃなきゃ駄目かな、早く行かないと日が暮れるし」
「時間はとらせない」
「…ちょっと、何なのよこの男」
袖を引っ張る隣のリノンの表情は胡乱気だ。こそっと小声で耳打ちしてくる。
「さあ…」
首を傾げていると、青年は懐を探り始める。かさ、と乾いた音。
突き出されたのは色あせた薄茶の紙。たたんであったために折り目がついている。
描かれているのは、つい最近見た顔だ。
その下には背格好や特徴や、とっ捕まえたり、もしくは、有力な情報を提供したりした際の報奨などが記載されている。有り体に言えば指名手配書だ。
ライルの証言のもと作成されたその手配書の人物画は、約二週間前、このラゾーで起こった大量殺人事件の犯人のもので、いまやロノア中に配布されている。
が、今のところ、まだロクな情報が舞い込んで来ていないらしいことを、ソードから聞いていた。

「この男と、本当に会ったのか」
そんなことを言う。ならばこの青年は、聞き込み係なのだろうか。それにしては訊ね方が変だが。
わざわざこんなところまで訊ねに来るなんてご苦労なことだ、と、手配書から顔を上げれば。

「訊きたいのはそれだけなんだ」
存外に、必死に縋るような目とぶつかった。



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作品名:D.o.A. ep.1~7 作家名:har