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俺から見たキミ。

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今日ってもしかして…

そう思った武内裕介(たけうち ゆうすけ)は
カレンダーを見た。



えーっと、12月…12月…



17日だ!





「つーことは、歩美(あゆみ)のコンクールの日前日じゃん!」


つい大きな声で叫んでしまった。
テレビを見ていた父も、ゲームをしていた弟も
夕飯をつくっていた母も
みんな俺を見た。

そして


「あゆみって、誰?」

と、みんなで口をそろえて言うのだった。



「いや、なんでもないよ」

冷静を装い、答える。

実を言うと歩美は俺の彼女だ
…が、
親は付き合うことに関してうるさいので
未だに言えないでいる。
もう、付き合って1年も経ってるけれど。


疑いの眼差しで見てくる家族の中にいるのは身が持たないので
2階に逃げることにした。


「じゃあ、俺、ちょっと勉強してくるわ」

嘘を家族に言いのこして、2階にある自分の部屋へ行った。




明日は歩美のピアノのコンクールだ。
大好きなドビュッシーを弾くことを楽しみにしていたっけ。


そして昨日の朝早くオーストリアに行った。
異国の地で自分の納得のいく演奏をするって
難しい事だと俺は思ってる。


行く前は

「優勝して見せる!
 言葉は通じなくても音楽は通じるから!
 心配しないで!」


とか言ってたけど

きっと
いっくら強がり言っててもやっぱり不安なんだろうな。
ああ、
応援のメールでもしてやんないとな


そう思って俺は
メールを打った。






 コンクール頑張れよ!
 いつものお前の演奏ならどこでも通用するからさ!





そして10行くらいあけて
一番伝えたいことを打った。







 もしも…
 もしもだぞ?
 コンクールで優勝できたら、
 親に俺たちのことちゃんと話す。
 そして、俺も認めてもらえるように頑張るから
 結婚しよう。







何としてでも優勝してほしい。
俺は強く願って部屋から出た。






まあ、
コンクール明日だけどな。
























作品名:俺から見たキミ。 作家名:みーさん