死神憑の
プロローグ:パパ
「パパっ!」
ぼくは、パパに話しかけた。
パパは朝にお仕事に出かけて夜に帰ってくる。
パパが何のお仕事をしているのかはいまいちわからない。
けどぼくはパパの好きなことを知ってる。
それはマンガを描くこと!
パパは家にいる時はだいたいマンガを描いてる。
…だけどパパは描いたマンガは見せてくれないんだ。
『お前にはまだ早いぞ!少年!』
らしい。
その代わり、パパが白い紙に描いたイラスト(って言ってた)は見せてもらえるんだ!
どんなイラストかって言うと、だいたいが女の子、その次に多いのが怖い顔したり…鋭い目をした顔の人。あとはロボットとか剣とかそういうの。
小学校1年生のぼくでもわかるくらい上手いんだ!
「なんだ?唯?」
「今日も女の子描いたんでしょ?見せて!」
「おいおい、今日も、ってなんだい。今日はこれだ。」
パパがカバンの中から一冊のノートを出してペラペラめくって、ぼくに見せてくれた。
今日の一枚はロボットだった。
「おー!じょうずだね!」
「ははっ、それはどうも。」
パパはぼくの頭を軽くぽんぽんと叩いてからリビングに歩いてった。
ぼくはしばらくパパのノートをじっくり見てた。
その後で晩ご飯を食べるためにリビングに戻った。