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サイコシリアル [2]

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 こうやって振られていくことにより、心的外傷は蓄積されていき、高校生活では恋をすることをやめた。
 告白の台詞が気持ち悪いのは、心的障害の影響だ、と信じたいものだ。
 何せ、恋は盲目なのだから。
 こんな昔話に花を咲かせていると戯贈に罵詈雑言を捲し立てられそうだから、もうそろそろ答えることとしよう。
 「戯贈みたいな人がタイプだよ」
 「・・・・・・・・・・・・っ」
 「だから普通に照れるなよ!」
 最初のキャラ設定は何処に行ったんだよ!
 照れとは無縁のキャラだったじゃねーか!
 ヤミデレじゃなくて、ヤミ照れじゃねーか!
 でも、少し可愛いから悔しいです。
 「そう言えば涙雫君。猿渡警部からまた『殺し』の依頼があったのよ。国家から報酬をもらう殺し屋というのも本末転倒だと思うのだけれど」
 「大丈夫だ。最早、僕の中で彼は警察ではない」
「そ。なら良かったわ。今回の依頼は調査も兼ねているから多少面倒くさくなりそうよ。どちらかというと、殺人を殺す━━前回と同じパターンね。場合によっては対象もろとも殺すことになりそうなのだけれど」
「対象を殺さずに済むに越したことはないな。人殺しはごめんだ」
「殺さずとも、精神的に追い詰めれば殺したと同意義なのだから大丈夫よ」
「それが出来ればな・・・・・・」
人を言葉で追い詰めるということは、それほどまでに困難なのである。
一番重要となるのは情報なのだから。
「ひとまず、対象の全容も全く分からない状況なのよ」
「で、全容が分からないのにどうやって突き止めるんだ?」
「だから調べるのよ。事件の全容を踏まえて」
最早、殺し屋ではなく、探偵の領域に達してきているのは気のせいだろうか。
そんなことを考えていると、戯贈は通学用鞄から一枚のA4紙を取り出した。
「今回の事件の概要を話すわよ」
戯贈はA4紙に目線を落としながら、淡々と文章を読み始めた。
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし