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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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 今から……そうですね。30年以上前になりますか。まだまだ若かった頃です。

 春の暖かい午後でした。
 デスクに向かって日誌をつけていたわたしは、あんまりぽかぽかしてのどかなので、ついうつらうつらしてしまいそうなのをこらえていました。
 そのとき、電話が鳴ったのです。
「はい。こちら○○警察署です」
 電話の相手はひどくパニクっていて、何を言っているのかよくわからないほどでした。
「もう少し、落ち着いて。場所はどこですか?」
 それでも相手はかなり取り乱しているようで、ようやく「○○岬の下の廃港」だと聞き取ることができました。
「わかりました。すぐ行きます」
 すっかり眠気がふきとんだわたしは、すぐに先輩と一緒にパトカーに乗り込みました。 向かう場所が心霊スポットで有名な○○岬というのがひどく気にかかりましたが。

 ○○岬の下は昔の漁港の跡で、今は釣り人が時々やってくる以外、人が来ることはありません。防波堤は外海に向かって釣りをするのにちょうどいい場所なのです。
 このときの通報者も都会から釣りに来た人でした。防波堤の中側で死体を発見したと電話をしてきたのです。

作品名: 作家名:せき あゆみ