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約束

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約束



 ホワイトクリスマスにまた会おう

 彼氏から来たメール。件名なし、本文はそのたった一行。
 都合よくホワイトクリスマスなんて来るとあなたは思っているの?
 もし、ホワイトクリスマスではなかったら約束を破ったあなたは針千本飲んでくれるのかしら? 嘘じゃあないわよ。私は本気。
第一、 今雨が降っている。本当に雪なんて降るのかしら?

 少女はどんよりとした空を見た。空から降っている雨は止む気配はない。
 カラフルな傘の人たちの流れを止めるように立っている少女は空から目の前に立っている木を見た。
 巨大な木に飾られている星に天使、真っ赤なリンゴ、カラフルなキャンディケイン、明るく光っている電飾……。
 あたりに歓声が聞こえると同時に少女は手を差し出した。その少女の手の上には白い何かが乗り、すぐに溶けていった。
「……ホワイトクリスマスか。なんか癪に障るな」
 少女は手に乗った雪を潰すかのように手を軽く握った。
「――俺に会えてうれしくないのか?」
少年の声。少女は少年に見えないように笑みを浮かべた。
「……別に、雪に腹を立てているだけ。だから」
そこで少女は言葉を止めると勢いよく振り向いた。
「あなたに腹を立てているわけじゃあ、ないよ」
少女は少年に笑みを見せ、近寄った。

「ホワイトクリスマス」
作品名:約束 作家名:古月 零沙