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さかきち@万恒河沙
さかきち@万恒河沙
novelistID. 1404
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Light And Darkness

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 ごああっ、と不可視の力が叩きつけられるようにやってきた。反撃を予想していなかった悠弥には、対処する暇がなかった。気を抜いたのが、失策。
 光に溶け、その存在が無に帰すとき、縛が滅する刹那の一撃。
「しまっ……」
 咄嗟に防護しようと両手を突き出すが、遅かった。消滅してゆくみずちが残したその力に、悠弥は軽々吹き飛ばされて背にした柵に叩きつけられる。
「ぐ……ふっ……」
 鉄のパイプに背を激しく打ちつけた。
 ぐらり  とからだが大きく傾いで、仰向けに柵の向こうへ放り出される形になった。
 ――落ちる。
 悠弥は全身でみずちの力を受け止めながら思った。
 浮遊感。
 唐突に甦る、たった今叩きつけられた言葉。
 ――不様ニ生キ残ッタ貴様独リ……! イッタイイカホドノコトガデキヨウカ! 愚カハ貴様デアロウガ……!
 そう。
 滅び去る禍物が、みないちようにそういう時、足もとの大地が音を立てて崩れる錯覚に陥る。
 夢の記憶が蘇る。
 重い言葉は、受け止める悠弥の胸にどうしようもなく深い悔恨と自嘲を刻む。
 禍物にとっては権威にしかならぬ力をかさにきて、大義名分を掲げてみせなくてはならない。潔くない。
 けれど、この務めを己から放棄することは許されないのだ。これは、かつて戦の時代を生き抜いてきた『御師』たちへの最悪の裏切り――巫女姫を愛し、汚すことで失い、全軍の壊滅を導いてしまった  の代償だ。罪は、償われなくてはならない。責任を放棄して逃げ出すことは、絶対に許されないのだ。
 浮遊は――眩暈を伴う落下に変わる。体中の血が、逆流をはじめる。
 消滅したい。終りにしてしまいたい。
 最愛の女神には、もう二度と見えることがない。彼女のいない世界には、意味がない。
 永年対峙してきた禍物に単身喧嘩を売りながら、悠弥は死を望んでいる。……たとえ醜く現実に背を向けた答えでしかなくとも、『絶対の死』を選ぶことが許されるならきっと……躊躇などしないだろうに。