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さかきち@万恒河沙
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novelistID. 1404
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【勾玉遊戯】inside

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「夜遅くって、大変だね。君にもいくつか質問をさせてもらいたいんだけど、いいよね?」
「……はい。……大丈夫です」
 ――終わるって……こういうことだったのか、皇。
 蔵にかけられた、三条家の呪いは。
 ――これが、終り……なのか……!?
 その時、蔵の方から「白骨死体だぞ」という声が聞こえた。
 祐一は顔を上げた。
 蔵の中から、別の若い男が顔を出している。蔵の外で、祐一にはよくわからない作業を始めていた警察官達が、またどやどやと蔵の中に入っていった。
 白いフラッシュの光が幾つも幾つも瞬く。
 それが目に痛くて、祐一は目をすがめた。
 眩しい。
 本当に何が何だかわからない。蔵の中で、妹の他にも誰かが死んでいたらしい――。
 ――子供だなあ、これも。
 耳鳴りを感じた。
 瞼を閉じればぐるぐると世界が回っているような感覚に襲われる。
 ――ごめんなさい。
 ――こりゃあだいぶ古いぞ……。
 ――おーい。
 どこか遠くで誰かが、叫んでいる。
 ――ごめんなさい。
 ――蔵の二階だ。鑑識、写真!
 ――許してくれ。
 誰かが、何かに謝っている。
 ――すまない……。
 縋るように、細く乞うている。
 ――ごめんなさい……。
 それが誰の声か――祐一には、もうわからなかった。
 ――ごめんなさい……。