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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 ダイニングに残された輝と未空と椛。椛が二人の間に入って来て、輝は少しほっとした。未空とふたりっきりの状況は輝の心臓にかなりの負担を与えていたのだ。
 ――朝食を食べ終わり、ひと段落ついたころ、食事の間黙して語らなかった未空が口を開いた。
「実はあたし、尊が人間でないことを最初から知っていて付き合っていたの」
 この言葉を聞いた一同は誰も驚かなかった。未空なら、それもありえることだろうと納得させられたのだ。
 誰も口を挟むことなく未空は話を続けた。
「それに琥珀のことも最初に会った時に気づいたわ。あたしは最初から全てに気づいていた。だから、独りで解決しようと思ったのだけれど、失敗しちゃったわね。あたしにも頼れる人がいればよかったのに……」
 学校では未空は尊といることもあったが、それでも独りでいることの方が多かった。周りが彼女の?噂?を気味悪がって近づかなかったこともあるが、それよりも彼女自身が周りを寄せつけない雰囲気を強烈に出していた。
 椛は未空の前に来ると、大きな動作をして自分の胸を叩いた。
「未空お姉ちゃんには椛がついてるから平気だよ! いつでも椛のこと頼りにしてね」
 未空はやさしい笑みを浮かべた。
「ありがとう椛ちゃん」
 目の前にいる少女は幼児化してしまっている椛だ。少し心もとない感じもするが、未空にはそれでも十分過ぎるほどに心が満たされた。
 玄関のドアが勝手に開けられ、誰かが家の中に侵入して来た。こんなことをするのは綾乃しかいないが、ダイニングの中に駆け込んで来たのは?椛?だった。
 誰もが瞬時に理解した。もうひとりの椛だ!
「みんなの力を貸して欲しいの!」
 第一声に突然こんなことを言われても何がなんだかわからない。
 慌てたようすのもうひとりの椛を悠樹はとりあえずソファーに座らせて話を聞いた。
「君はもうひとりの椛だろ? 琥珀たちに捕まっていたのではないのか?」
「隙を見て逃げ出して来たの。それよりも大変なことになったの!」
「大変なこと?」
 輝は聞いた。
「大変なことって何だよ? 琥珀たちがここに攻め込んで来るとか?」
「ううん、琥珀たちは力を蓄える為に隠れて外に出てこれないの。でも、その代わりに使い魔たちを何匹か呼んだみたいなの」
「使い魔!?」
 大きな声をあげて驚いたのは真物の椛だった。それほどまでに驚くべきことなのか?