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鏡裏@のべりすと
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novelistID. 9876
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とまととからす

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真っ赤に熟れたトマトを握り潰すと中身が出てくる。
ぶちゃ、と生々しい音を立てて汁が指の間から垂れて床に零れる。
潰れたトマトの一部は生の余韻(既に摘まれたトマトが生きているかなんて知らないけど)にすがり付いて僕の手の甲から曲げた肘まで垂れる。
僕は手のひらを開いてトマトの肉を、甘く熟した肉を舌で掬い取り口へ運ぶ。
ぐちゃぐちゃになるまで熟れたトマトはとても甘かった。
ひたすら舌を手のひらに伸ばして舐める。
甘いトマトは掌から綺麗になくなった。