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ハロウィンの夜の殺人

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10月 31日 ハロウィン・パーティー当日


オーデル・スクールのハロウィン・パーティーも終盤に差し掛かって来た夕方ドランとクレアは学校に現れた。
「ほら、やっぱ仮装してくりゃよかったんだ」
ドランが思い思いに仮装した生徒たちを見て言った。
「そう言うあなただって仮装なんかしてないじゃない」
「大人ですから」
「でも中身は子供」
「言ってくれるねぇ。ならお前の中身は50歳の頑固おばちゃん」
「どうとでもお好きに」
くだらない会話をしながら二人はダンス・ホールに向かった。
中からガヤガヤと賑やかな声が聞こえる。
「ようこそ」
入口に立っている女性が二人を中に招き入れた。
「豪華だなぁ……」
ダンスホールは贅沢に飾り付けをされていた。
中央に置かれた巨大なテーブルには様々な食べ物が並べられている。
ホール内は在校する生徒とその家族でにぎわっていた。
「ドラン先生」
華やかなドレスを身に付けた女性が声をかけてきた。
「覚えてますか?私のこと」
「えっと君は……」
「弟のティミーがお世話になってます」
「まさかバネッサか?驚いたなぁ。こんなに美人になっちゃって」
「ふふっどうも……そちらは娘さん?」
バネッサはクレアの姿を見つけるとドランに質問した。
「いや娘ってわけじゃないんだ。ちょっと色々あってね」
「そうですか。あなた名前はなんて言うの?」
バネッサは質問の相手をクレアに変更した。
「クレアです。クレア・イザネル」
「クレアちゃんね、よろしく。私はバネッサ・パラルーよ」
「バネッサさんですか。名前だけなら訊いていました。ドランがよくバネッサさんの話を聞かせてくれました」
「へぇ、具体的にどんな……」
バネッサが意地悪そうにドランを見た。
「そうですねぇ、クラス一の門……」
「わぁぁぁぁ!そこまで!」
ドランの悲鳴が話を中断させた。
「まあ、いいですわ。でもクレアちゃん、あとでその話ぜひ聞かせてね……?」
「はい☆」
「ところで先生達もうスイーツはごちそうになりました?」
「いや、まだだけど」
「それならこっち来てください!このパンプキン・ケーキがおいしいんです!」
ドランとクレアはバネッサに連れられ「おいしいスイーツツアー」に向かった。

ドラン達はバネッサと別れマイペースにパーティーを楽しんでいた。
「皆さまお静かに願います!」
職員の男性の声で賑やかだったダンスホールが静かになった。
「これよりダンス・パーティーを始めます。パートナーと共に素敵な時間をお過ごしください」
ピアニストの演奏を合図にカップル達は華やかなダンスを踊り始めた。
「みんなスタイルいいわね」
クレアがタキシードに身を包んだ男子生徒達を見て言った。
「顔で騙されるなよ」
ドランがカクテルを飲みながら言った。
「そういうあなたこそ気を付けた方がいいんじゃない?かわいい子に言われるとすぐほいほいとついて行っちゃうんだから」
「バーカ、このドランに限ってそんなこと……」
その時一人の女子生徒がドランたちの方に向かってきた。
「ドラン先生相手います……?」
「いや、いないけど」
「じゃあ、一緒に踊りませんか?」
さあ、ドランどうするのかしら……?
「よろこんで」
ドランは女子生徒に連れられどこかに消えてしまった。
「まったく……」
クレアは悪態をつきながら二階のバルコニーに向かった。
外の空気が吸いたかった。
「ハァ……」
ため息をつきながら手すりに体を預ける。
その時どこかで言い争うような声が聞こえた。
「えっ?」
よく耳をすませる。
「……しは…もうあんたの……じゃない……」」
「……理ね……あんたの……私の手に……」
どちらも女性の声だ。
それ以上会話は聞き取れなかった。

クレアはテーブルに座りジュースを飲んでいた。
ダンスパーティーも終わり次々と人が帰って行く。
向こうからドランがやってくるのが見えた。
「いやぁ、すまんすまん……」
「まったくしょうがないわね」
クレアはやれやれと言う風に首を振ってから立ち上がった。
「それじゃあ、俺らも帰るか」
「そうね」
二人が出口にたどり着いた時ドランを呼びとめる声が聞こえた。
「何だ……?」
振り返ると彼を呼びとめた人物がダナエだということが分かった。
「実はこの後の片付けを手伝ってほしいの……」
「でもなぁ……」
ドランがクレアを見て言った。
「手伝ってくればいいじゃない。私のことは大丈夫、一人で帰れるわ」
「悪いな」
「いいのよ、それじゃあがんばってね」
クレアはドランに別れの挨拶をすると暗闇の中に消えて行った。
「ごめんなさいね」
ダナエが申し訳なさそうに言った。
「いやいいさ。困ってるレディーを放っておけない質でね」
「あなたって本当にいい人ね」

作品名:ハロウィンの夜の殺人 作家名:逢坂愛発