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論理的な君に

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「例えばの話だけど」

「?」

「今ここで、非現実的、非日常的な出来事が起こったとしよう」

「へ?」

「それは空から降ってくる隕石かもしれない、宇宙から来た火星人かもしれない、はたまた超能力を使える超人が近くにいるかもしれない」

「…?」

「そんなことを想定してみる、だがそんなことを想定して何の意味がある?そう、何も意味がない」

「意味わからん」

「人間は人の範疇を超えた奴らを毛嫌いする傾向がある、だがその反面、好奇心を持ったりもする」

「はあ」

「だから人間は有りもしない現実を想像したり、できるのではないか、自分にはやれるのではないかと思い実行に移したりする」

「はいはい」

「しかし、想像するのは簡単だが、実行に移す人間は少ない、でもそのかわり実行に移した人間は多くの利益を得たり、無くしたりする」

「…」

「成功例は多いがそのぶん失敗も多い、かの有名なエジソンもそのひとりだと言えよう」

「…(眠い)」

「そこで考えたんだが、日本語には『当たって砕けろ』と言う言葉が存在する」

「(寝ていいかな、寝ようかな)」

「当たって砕けるなんて人間にとっては有り得ない、仮に固い岩にぶつかったとしても骨は砕けるかもしれないが、それだけであるからそんな言葉は存在しない」

「(よし、寝る)」

「だが今からするこの行為は正にこの言葉を具現化するのに相応しいと思うんだ、ああ、きっとそうだ」

「(やべ、まじ、睡魔が…)」

「つまりだ、僕は、君が好きだ」

「…ああ、そう」

「そうだ」

「好き、ね」

「そうだ、さっきから言ってるだろう、君はわからない人なのか?好きって言うのはだね…」

「はああああああああああああああああ!!!!?」






論理的な君に


(哲学的考えを持つ彼とそれに振り回される俺のお話)
作品名:論理的な君に 作家名:たなか