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遊佐 はな
遊佐 はな
novelistID. 16217
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Rookies!!

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その男☆危険につき!!



「どぁ~!!めんどくせぇ」
手にしたモップを投げ出し、石川桃太は大声を張り上げた。
本日、通産30回目の遅刻のご褒美として与えられた校内の便器掃除もすでに2/3は終わり、残すは最上階のみとなったときだった。
苛立ちと腹立たしさと、それから泣き喚く腹の虫に嫌気がさした。
「一体俺が何をした~~!!」
遅刻をしたのがいけないのだが、それを真正面から受け入れて反省ができないのが人間である。
そもそも、遅刻をしたには理由がある。
言うところの「人助け」だ。
弱きを助け強きを挫くというのが、先祖である石川五右衛門の教えだと桃太は常日頃から考えている。
その温床がこの遅刻に結びつくのである。
「だからと言って内容を話せるわけでもなし…」
桃太は、その場にしゃがみこむと、大きく肩を落とし盛大なため息をついた。
「自業自得という言葉を知っているか?」
突如上から降ってきた低く冷静な声に、桃太の背筋は一瞬冷たくなる。
「デニーかよぉ」
振り返れば同級生の花井デニスが、両腕を組み、唇の端を歪めながらこちらを見ている。
「次やったら大変だという忠告はしたはずだ」
床に転がったモップを拾い上げ、青い瞳で桃太をじっと見つめる。
「ふん。優等生めっっ」
デニーはこの学校の生徒会長を務めている優等生だ。
しかも1年時から…
ふつーありえねぇだろ。
中学終わって数ヶ月しか経ってないヤツが生徒会長。
まぁ、選挙での投票の大半が女生徒だったって話だけど…
優等生のくせに顔もいい。愛想もいい。
全く天は二物も三物もコイツに与えちまったってわけだ。
幼馴染の俺には何も与えることなくだ。フン。
と、拗ねてみたくなるのも人情。
「とうとう殺人にまで手を染めるとは、ちょっと見損なったよ」
デニーは拾い上げたモップを見つめて盛大にため息をついた。
「はぁ?何の話だよ」
桃太の眉間に皺が刻まれる。
「今朝のニュースでやってた、あの2億円相当の宝石泥棒って桃太のことじゃないのかい?」
驚いた桃太に、デニーも驚いた顔をする。
「腐っても泥棒だぜ?それ以外のことに俺は手なんか出しちゃいねぇよ」
桃太は怒ったように唇を尖らせ横を向いた。
「つーか、なんだよその殺人て。俺はティアラ盗んだだけであとは知らねぇぜ?」
桃太が憮然とした顔をしてみせる。
デニーはほんの少し、その形のいいあごを傾けた。
「殺人というのは憤怒・怨恨・痴情という理由から起きるものであって、桃太と被害者の間でそんなものはないよね。ということは、犯行を見られたための突発的な…?」
「だ~か~らぁ~。言ってるだろ!俺は何もしてないの」
桃太はデニーの挑発が勝ったのか負けたのか、ほぼやけくそのように叫んだ。
こいつの祖先はかの有名な名探偵ポワロ。
推理好きというか、好奇心旺盛というべきなのか、いつも桃太の犯行である「盗み」の内容を推理し、それが当たると喜んでいるのだ。
まぁ、自己満足の世界でそのことを誰かに言うなんてことはけしてないのだけれど。
デニーいわく
「桃太が捕まっちゃったら僕が推理する事件がなくなっちゃうからね」
という理由かららしいけれど…
ありがたいのかめんどくさいのか…微妙だ。
「ふむ。では、昨日の事件の内容をじっくり検証してみようではないか」
デニーの顔にすっと喜びの色が浮かんだ。
明らかに楽しんでやがる。
「でも俺ほら、便所掃除がさ」
推理を楽しみたいデニーのことだ。
きっと名案を見つけ、今目の前にある「便所掃除」という名の難事件も解き明かしてくれるだろうことを期待していたのだが
「うん。だから早く終わらせてね」
デニーは優しくにっこりと笑った。
「家で待ってるから」
そういうと、手をひらひらとさせて出て行く。
「家でって…」
ということは
「結局1人で便所掃除かよ!!」
桃太の声がそのフロアに響いたことは言うまでもない。
作品名:Rookies!! 作家名:遊佐 はな