小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

朧木君の非日常生活(4)

INDEX|1ページ/6ページ|

次のページ
 
神隠し編 其ノ二

 丑三つ時に入る十五分前。
 俺達、三人は陰鬱な雰囲気を放つ鳥居の目の前に立っていた。
 ――藪地蔵の森
 神隠しの名所。噂ではなく都市伝説。
 「朧木くん、この鳥居を抜けた瞬間から、藪地蔵の森の領域だよ」
 蜻蛉さんが、言った。
 そう、俺たちは『神隠し』に会いに来た。
 「私は、神隠し楽しみ」
 対して鬼火ちゃん。鬼だから怖くないらしいが、神VS鬼は明らかに神が勝つでしょうね。でも、最初から負ける戦いなんてありません!
 「神隠しならぬ、鬼隠し編だね」
 ・・・・・・・それ、「ひぐ○しのなく頃に」だよね?
 ダメだよ。パロディーなんてやったら。
 まずそしたら、俺達死ななきゃいけないんだから。
 某会社のCM風に言っちゃうならば。

 ダメ! 絶対!

 「それじゃ、さっそく行こうか」
 蜻蛉さんがそう宣告した。
 その声色は恐怖で震え、畏怖の感情に包まれていた、訳ではない。
 歓喜、興味、さながら遠足に行く小学生の様だ。
 それはそれで滑稽だ。
 「ちょっと待ってよ、蜻蛉さん。まだ心の準備が」
 「なんだよ、朧木くん。ニートだろ?」
 ニートのお前に言われたくないよ。
 「さぞかし親もニートなんだろうね」
 「どっちの親もニートじゃない!」

 産みの親―両親
 生みの親―作者

 この二つをかけてみました。
 うまい! これうまいよね! 

 「わたしもニート?」
 「違うよ、鬼火ちゃん。安心しなさい」
 いいの。鬼火ちゃんはニートでいいの。俺が養ってあげるから。
 ・・・・・・? 俺って親の仕送りで生活してるから、養うのは俺の親なのかな?
 「朧木くんって、鬼火ちゃんに甘いよね」
 「そうかな?」
 あなたがたまに憎たらしいからじゃないかな。
 「ひどいなぁ、朧木くん。憎たらしいだなんて」
 「そういう所だ!」
 どうやって人の心読んでるんだよ! 全く。
 「だって文面に書いてあるじゃないか」
 「もう帰れよ!」
 「朧木くん、何が書いてあるの?」
 「鬼火ちゃんだけが、心のオアシスってことだよ」
 「嬉しい」
 ・・・・・・ッッ! てっきり「?」って首を傾げると思ったんだけど、まさかの反応だよ。
 なんてカワイイ子なんだろう。
 神隠しに会う時は一緒だよ。

作品名:朧木君の非日常生活(4) 作家名:たし