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「僕ら」
　「君ら」
　「彼ら」
　全てが殺せる、全てが死に対する回避を免れ得ぬ。そう思っていたのは君だけだ。
　「僕ら」は殺せる。一人称で呼び得る存在を皆抹消すればいい。「君ら」とは、すなわち「僕ら」の対極にある存在であるが、必ずしも対極でなければならない存在である。つまりは「僕ら」＝「君ら」であり、それを破壊するにはどちらか一方をたたき落とせばいい。

　しかし「彼ら」は忘却という作業の元にしか殺し得ない。そして君が殺したい彼は数百年は名を残し続けるであろう。
　ジョンを殺すことはできないのだ。ジョンは生き続けて数百年の後、初めて本当の死を迎えるのだ。