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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS47 結局ニートヒーローはいらない

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 アイスV1は良質のアイスでのみ強くなってのちの副作用の心配がない。だけれども、彼は働かないし、高機動小隊だの何だのというものには入っているわけでもない故に、金がなく、変身するものすらないわけである。
 そんな彼が今回戦ったのは怪獣、というよりもなによりも、人間である。といってもまあ、改造人間、と確かに正義のヒーローのお話の根本的なプロットは崩すことはないわけであるが。
 であるが全く歯が立たないのは真実で、アイスを買いに行く暇もなく買い食いしてどうこう、というわけにもいかず、ついに彼は一線を越えてしまう。その辺のギャルが食べていたアイスを取り上げて食べてしまったのだから。


 まあ戦績は予想通りの結果ではある。負けて改造人間は人命をたくさん奪ったあげく、また自衛隊がでてきて、何とかたおして、肝心のヒーロー様は情けなさを相変わらず露呈して、ギャルにとっても世間にとってもまったく悪印象、というところであり、そもそも破壊活動をしている(敵を倒そうとしてビルをとばすなど、その中の人命を度外視しているとさえいえる)ように思えることから、このヒーローは断罪されるべきであると、ついに結論が下されることになって、死刑代なんかに連れていってあげるだけの哀れみもかけられず(ニート故に国に対する3つの義務はいずれも果たしていなかった)、結果…。
 ギャルに「キモい、死ね」と言われて、ヒーローは銃殺された。
 何も果たせず、何もやり遂げず、何も与えられず、何も動かせず、…まさにニートの一生であった。そして、ニートらしく誰にもかわいそうとおもわれずに終わってしまった。もはや、情けないヒーローである、なんて言っている場合ではない。

 情けないヒーローにすら、なれなかった。