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ぐるぐる廻る、僕らと僕と・・・。

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<0章=なにもなし>






人は死ぬ。
何があろうといつか死ぬ。
何であろうといつか死ぬ。
何になろうといつか死ぬ。
何をしようといつか死ぬ。
何といようといつか死ぬ。
それで終わる。
そして終わる。
これで終わる。
それは人間として当然のことではある。
そんな事を言ってしまうと、僕自信が死についてなんらかの隔たった意見を持っているように聞こえてしまうかもしれないけど。
別に、そんなことはまったくないのだが。
人は誰であれ。
例えどんな権力者であったとしても。
この世に生まれた瞬間死に向かって直行している訳だし、それを完全に防ぐ手段なんてものは少なくとも僕は知らない。
もしも死なない人間なんていうのが実在するとしたら、死ぬ前に1度くらいは見て起きたいなぐらいの興味はわく。
ついでに若干の疑問もわく。
死なない人間。
生き続ける人間。
それは。
人間と言えるのかと。
人として、存在してるのかと。
人ではないものではないのかと。
まぁ。
だからといって。
人間は死ぬために生まれてきたなんてこんな若い身空で言うものなら、僕を生んでくれた誰かさんが今すぐにでも飛んできて、僕の命を怒りながら取っていってしまいそうなので言わないでおく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて。
ここまでは冗談。
すみません。
失敬。
ごめんなさい。
申し訳なかった。
別に僕は、人生が無意味だなんて思ってはいない。
そこそこに。
それを有意義か、それとも堕落気味に忙しく満喫させてもらっている身分としては、万歳三唱の嵐という感じでよく意味も分からないが。
それなりに自堕落に。
それも刺激的な毎日を送らせて頂いていると、たぶん思う。
だから、例え僕自身が自覚していなくても、その生活の中に生きている意味というのがあるかもしれないし、あったとしてもいいと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・あるのかなぁ。
自信が持てない。
なくても、特にかまわないのだが。
話を変えよう。
では、死ぬということに意味はあるのか。
そのことについて、あえて言うなら。
あえて、そこに意味を持たせようとするなら。
友達のために死ぬ。
恋人のために死ぬ。
家族のために死ぬ。
つまり、他人のために死ぬことによっては、確実に残るものはあるだろう。
他人のために死ぬことによって、誰かに残るものはあるだろう。
友人のためなら友情が。
恋人のためなら恋情が。
家族のためなら愛情が。
だがそれは、あくまでも他人に残るものであって、自分に残るものではない。
自分が死ぬときに、例えどんな偉業を達成したとしても、それは決して自分には残りはしないだろうし。
自分の死は、人の心の隅に、僅かなわだかまりと何かを残すだけ。
死は、当然だが自分に対して何も残さない。
自分が、無くなってしまうのだから、言うまでもない。
・・・・・・・・・・うーん。
そんなことを言っても、僕自身はきっと、他人のために死ねるような殊勝な人間でもないし、確信を持ってうんと頷かせてもらおう。
それこそ。
そこまでして何かを残したとも思っていないから。
まぁ。
場合によっては、死なない程度にがんばるかもしれないけど。
それも、よほどの事か。
よほどの相手でない限り。
がんばりもしないだろう。
その辺が僕の底辺で、そして上限でもある。
特に不満もない。
ところで、ある人は言った。
「死んだら自分が残るだけだが、生きているなら自分で続けられる。だから私は大きな偉業より小さな今を選んでいる。」
僕としては、これを家訓として生きていきたい。
まさしく、僕の座右の銘に等しい言葉だ。
掛け軸として飾っておきたいくらいに。
・・・・・まっ、ちょっとした嘘だ。
どちらにしても、自分の死には、意味はある。何かは残る。例え、他人の中にだとしても。
それは分かる。
理解も出来る。
それなら。
死ぬと言うことに、意味が残るだけだというのなら。
人を殺す。
そのことに、意味をみいだすことが出来るのか。
どんな意味が、残るのか。
たくさんの人に愛されていた人間死ねば、殺されれば。
それだけの悲しみと、悔しさがつのる。
死んでしまったその人に。
死なされてしまったその人に。
あるいは、恨みの形として。
なら。
人を殺した人には?。
人を、死なせてしまった人には?。
人殺しには、何が残る?。
ナイフで刺した時の感触か。
紐で締めた時の感触か。
棒で殴ったときの感触か。
例え、どれであっても。
例え、どんな殺し方であったとしても。
続いていく。
永遠に。
生きている限り。
死なない限り。
続いてしまう。
それは、どんなに忘れようとしても心に巣くい、延々と居座り続ける。
それに耐えるのは、普通の人間では、まず無理だ。
心を壊すか。
心を壊されるか。
心を無くすか。
1度、再起動をしない限り。
1度、組み立て直さない限り。
耐え続けることは、何よりも深い苦しみだ。
それが、分かって。
それも、理解して。
僕は、どうなんだろう?。
どうなるんだろう。
耐えることが、出来るのだろうか?。
いつか、殺す時が、殺さねばならない時が来たとしたら。
歪な形として、組み直すことが、出来るのであろうか?。
今よりも、さらに酷い形となるのは、目に見えているのに。
それに、耐えれるのであろうか?。
僕の心は。
「…………………………………………」
そこで。
そんな自分を想像して。
思わず、少し。
笑ってしまった。
あまりにもおもしろいことに、どうでもいいことすぎて。
僕にとっては、この全てが。
どうでもよすぎることすぎて。
そして、僕は呟いた。
「滑稽だな」





<1章=朝練>






早朝。
だいだい5時30分ぐらいか。
僕は正直、久々に到来した低気圧を舐めていたと若干の後悔を膨らませている。
なんだか吹き抜ける風にまで肌が凍りつきそうなほどの冷気があって、5月だというのにもうちょっと初夏の兆しをみせろ言いたい。
まぁそんなことをわらわらと思いつつ、僕は現在砂利をしきつめ黄色の紐で適当に区切りを造った場所に立っていた。
自宅から出てすぐの所にある、現在何もない空き地を利用してどこかのどなたかさんが造った簡易駐車場だ。でも結構スペースあるのに止まっている車は白いワゴン車が一台だけで、他には一台も見あたらない。
どうでもいいけど、なんでわざわざ8台分もスペース造ったのだろうか?。
実際に此処にこの車以外が止まっていた事は見たことがない。
ついでに人通りも人気もまったくないなぁとか思ったけど、当たり前だ。
現在だから何と言っても5時30分。
だいだいの人はまだ寝てる。
僕も普段ならまだ寝てる時間である。
若干どころか寝不足気味。
隈はあまり出来ないほうだけど、頭が少し、ふわふわしている。
まぁだからといって、僕は別に朝の散歩なんて健康的な目的でこんな時間にこんな所にいるわけでもないし、人気がないほうが、好都合。
目的は、明確過ぎるくらいはっきり別にある。
「ふぁぁぁっ…うぬうぬ…………………」
だけど、目の前いる奴もいかにも眠そう大きく口を開けて欠伸をしやがった。
このやろうぉ。