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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「ワトくんにやったようなことを彼にすればいいのよ」
 という栞さんのアドバイスをもらい、里穂は帰って行った。好き合っているのだからうまくいくだろう。

「二人で話があるんじゃない?」
 と、栞さんが探偵事務所を出て行った。くるみが落ち着かない表情で俺を見上げていた。
「そろそろ帰ろうかな」
 くるみがカバンを持ってドアに向かった。しかし、ドアが開かない。
「もう、栞ちゃんでしょ。開けてよ」
 俺はくるみの腕を取った。
「な、なあに?」
 ドアを背にして振り返り、少し赤い顔を上げた。
「ジッとして」
「えっ?」
「目を閉じて」
「どうして?」
「いいから、早く」
「う、うん」
 目を閉じたくるみの頬に触れた。

「ほら、取れたぞ」
 俺はくるみの前に黒いものを見せた。
「頬っぺたにアリが付いてたぞ。芝生で寝たりするからだよ」
 くるみが唇を噛んで、カバンを振り上げた。
「ばかばかばかあ」
「なんだよ、アリを取ったんだからありがとうくらい言えよ」
「つまんないダジャレ言ってんじゃない」

こうして『恋のつり橋事件』の幕は降りたのだった。