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フレンドボーイ42
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novelistID. 608
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BSS16-4 つねならむ

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 つれづれなるままに一時の迷いでそれを書いたというのが見て取れる文面でした。僕に会いたい、そうすれば孤独が解消される、それは真っ赤な嘘ではありませんか。あなたがどれだけ僕を変えようとしてもそれは無駄です。もう一ついえば、あなたは年齢の垣根を越えて僕よりすばらしい方です。1、2ランクしたどころか、8、9ランク上の存在ですよ。そんな相手に敬語以外なにを使うのですか?少なくともあなたとは会話しているわけではなく、文面上でやりとりしているわけですから、失礼にならないよう敬語で書いているのです。話すときと違って勘違いが産まれやすいですからね。
 年々あなたとの文面を通じて思うのは、あなたはまったく僕のことを心配してくださっているだけではないかと。僕は元気に過ごしていますよ。元気でなければあなたの顔を思い浮かべて手紙を書こうとなどしませんよ。いいですか、元気があるからこそ、あなたの素晴らしさを、そのまま何の疑いもなく受け入れることができるのです。
 なるほどあなたが百歩譲って孤独であるとしましょう、それでもあなたは他の友人がたがいることでしょう。また、僕より優れた男の人だって多くいる。あなたはすばらしい方ですから、男の注目を引くことができる。それを無駄になさってはいけません。…とはいえ、そう踏み切れないのは僕がかつて「どんな美貌も老いたら皆一緒になってしまうし、皮いちまいはげば皆一緒である」といったからでしょうが、これには少し補足が必要でしたか。僕はただかわいいから、それはすばらしい、と素直に感じることができない人間です。あなたがあれほどかわいいのに、あなたのかわいさを素直にほめられないのは、僕はあなたの人格が一番好きであって、人格はあなたならと死をとっても変わりゆくことがないと信頼しているからです。…いまでもそうですが、あのときは安定した柱のような存在がほしかった。まあ、今は身の程をわきまえておりますよ。
 楽してしまうだけですねこれは…。人に支えられることでしか生きていけないならそれは最低だろう、と。それは生きている意味はあるのか、と思います。同時に、人を支えられない奴に生きている価値はあるものか、とやはり懐疑的です。あなたにはその意味も価値もあった。けれど僕にはなかった。
 むちゃくちゃな話です。意味も価値もないのにただただ無為に人生を送っている僕がいったいあなたになにをできるでしょうか。すぱっと意味も価値もないんだ、と割り切って死を選べないのにあなたに希望など与えられるでしょうか。…ない袖は、やはりない袖、ふれません。そういうことで、あなたには希望があり、僕にはない、これを確認してここで手紙を終えたいと思います。