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フレンドボーイ42
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novelistID. 608
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BSS16-2 ちりぬるを

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 散った桜を眺め、ため息をつく季節がやって参りました。足のけがのほう、僕は心配でたまりません。あなたのことですからただ外に出たくて仕方ないとは思いますが、御療治のためにも、今一度安静になさってくださいね。これは、あなたのかつての「恋人」としても、また大学の「先輩」としても、是非あなたに心がけてほしいことでございます。…話は変わりますが、手紙は拝読させていただきました。本来ならばいきたい気持ちもあまやまではございますが、あなたに会えば、ポジティブなあなたをみて僕はますます悲観的になる、もう少し過激に申せば鬱になると、思う節があるのでございます。
 利己的な僕はあなたに数々の迷惑をかけて参りましたが、それはひとえに僕が余りにも正論で何でも通そうとしてきた故の失敗であります。物事は必ずしも正論では動きはしない、けだし名言でありますし、あなたのいうとおりであり、それに気がつくあなたは立派な人である、と思います。ただしあなたは気づいていないでしょうが、僕だって一時の風流に流されるときはあるのですよ。
 濡れることがわかっていて、あえて傘も差さず森林公園の木々の間をくぐって、訳もなく雨雲で埋め尽くされた空をみて、僕はふと感じるのです;この世は全く、あの空の雲のようだなあ、と。本当にすばらしいものを皆忘れて、それをこぼしてしまう雲。それをも詩こぼしてしまったら、おまえは小さくなるのだよ、といえども雲は知らんぷりして、こうつぶやくのです;ふん、人間何ぞになにがわかるというのだ。貴様等が正しく自らに大切なものを知っているとでも申すのか。そして怒鳴り散らして雷を落とします。それを聞くと、自分が感電死する恐れも忘れて、ああまさしく、あの雲のいうとおりだ、他人にとってあれをすべきこれをすべきとグダグダ言う人間は、その実自分には甘く、そして他人よりやはり自分がかわいいのだ、と。それを雲から答えを聞き出せたことは、まさしく風流に類するものでありましょう。
 累々と言葉を連ねて参りましたが、あなたに通じるかどうかはまた別の話ではあります故、今回はこの辺で筆を置かせてもらいましょう。どうか僕をお許しください。僕はあなたに学ぶべきことがありそうだ。あなたのように僕がいられたらば、どれだけの恩恵を受けられることでしょう。しかしあなたに会えば必ず迷惑をかけることを当然わきまえているものですから、手紙でとどめさせていただきます。…くれぐれもいっておきます。
 をかしなものを嫌いだといったつもりはありません。もしそう聞こえたのであれば、ここで修正するとともに、心証を悪くしたことについて謝らせていただきたく存じます。それでは短い文ですが、ここに僕の気持ちをつづったものであることを承知おきください。