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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS39 惹句ジャック

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その言葉に心が埋め尽くされてやまない。

 「それが、おまえだ。」
 句読点まで聞こえるようなその言い方に、ひきつけられた。惹句。

 「僕はいい奴ではありませんでした。表では先生の前でいい子ちゃんぶって、裏で毎日一人土に埋めていました。掃除はまじめにやり、殺人もまじめにやり、」
 それは僕なのだろうか?
 僕は人を埋めたことも殺したこともないはずだ。
 そして分かる。

 個性を埋没させたのは僕だ。
 いや、昨今の個性の風潮には確かに逆らっていた。個性なんてほっといても延びるものだと。個性殺しとはどういうものだ?風潮には逆らっても個性は尊重していたはずだ。

 「おまえ、変わってるな。」

 おまえはふつうなのか?おまえは基準なのか?そういいたいのか?なんとまあ、当たり前のことを言ってくれるものだ。どこの本を読んでそのようなことを言っているのだ。まったくもっておかしい野郎だ。
 変わっているね、というのは確かに基準を勝手にでも決めないと言えない言葉だ。だが規格外は立派な個性だが。
 「じゃあ、なんでポストは規格外が存在しない?」
 ああ、会社のポスト?そりゃあ…

 確かに、誰にでも同じ仕事しかさせてないけど、なにも悪くないじゃないか。それでうまく行くのだから。

 「同じ人に同じことしかさせていないのでは。」

 それは仕方ないだろう。チャンスがほしければ自分から頭下げて手にいれればいいじゃないか。なんでそこまで世話しなきゃいけないんだ。

 「チャンスは上からしか見えない。そう、事情を知るものにしか、見えない。」

 「君は悪い奴だ。すべて見えているのに。そう、チャンスが彼らにないのは君のせいだ。親のコネでは言ったくせに会社の仕事をつぶしまくる、君が」

 コネのなにも悪くない。悪いのは仕事だと?きっちりやってればいいじゃないか。
 成果主義は嫌いだよ。

 「終身雇用でおまえは成果を給料に反映させようとしていたじゃないか。成果主義となにが違う。」
 
                   

 「個性を殺す、というより公言えばよかったかな。同じことを考えることを他には許さない、と。人と共通する部分があるのも個性だというのにね。ふふっ。」

 「それが、おまえだ。」
 ハートジャック。