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あなたに花言葉をあげる

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 わたしは創られた。何も無いところから彼が創ったのだ。わたしの使命はまだ見ぬ未来の彼の子孫に、彼の知恵を授けることだ。今は若い彼もいつしか年老いて、その生命を枯らすときがくる。
わたしは知識としてそれを知っている。しかしわたしは実体験としてそれを知らない。わたしたちは『永遠に枯れえぬ花』と呼ばれている。その名の通り、わたしたちは生命を枯らすことを知らない。千年の孤独でさえわたしたちを殺すことは無い。

「アネモネ」
これはわたしの名前だ。創造主が下さったわたしの名前。
創造主は静かに眠る。わたしはそのかたちの良い額を眺める。そうして未来の主を思い浮かべるのだ。

わたしはアネモネ。
あなたを信じて待つことを運命付けられた存在。




この美しい国のために、この栄光の国の繁栄を永遠のものにするためにわたしは生まれた。わたしは宝玉。わたしは国家の象徴。わたしは祈り。わたしは争いの元凶。
わたしは力を持っている。しかし力を使うことは出来ない。それはわたしの使命ではないからだ。わたしの使命は、主のために力をささげること。主は選べない。
それが狂気と分かっていても、わたしにはどうしようもないのだ。

わたしは祈るだけ。
わたしはスターチス。
永久不変の名を負う者。
わたしはこの国の永遠の繁栄を祈るだけの存在。




この国の始まりを私は知っている。たった一人の賢明なる男が、争いを終わらせ国家をなしたのだ。ラスキア。昨今はオーソドックスな子供の名前となっているそうだ。私は彼を忘れない。狂気の王がいた。ミルファビオ。気の弱い、気の毒な男だった。草木を愛で、動物を愛する彼に禍々しい国家を担い、血を流す仕事は酷だったのだ。
たくさんの王がいた。たくさんの民がいた。たくさんの血と涙が流れ、たくさんの笑顔があった。私はひとつとして忘れることは無い。これから先も、永久に。
私はフィクスプミラ。
知識そのもの。





わたしは美しい。そう創られたからだ。わたしが美しいことで、この国は良くなる。民がわたしを愛することは、国を愛することと同義だ。
わたしが語れば民は聞き入る。わたしはたくさんの絵画と、貨幣に描かれている。わたしはたくさんの人に愛され、この国を愛する。
ナスタチウム。
決して忘れられることの無いわたし。
わたしは愛国心。
わたしは母のように、恋人のようにこの国と民を愛し、愛されるために生まれた。




わたしたちは待っている。新しいわたしたちの王を。千年の王国を築いてくれる、民と自然と平和を愛する王を。
さあ、わたしたちをあげよう。わたしたちの名前をあげよう。