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流れ星

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 死期を悟れば光り輝き 自ら潰える 流れ星
 只それだけの宿命に

 馴れ合いは無用 
 感情は塵芥
 積るならば掃けば良い
 星の数 意思の数 
 遂げられないものばかり 
 只それだけの事で

 全ては今で 今に終わり
 一時に生き死せるだけの命なら その一時に全てを捧ぐ
 只それだけが全て
 堕ちゆく身で許される行為

 今堕つる生命 感じるモノは只痛み
 蒼白の体はひび割れ軋む
 光を纏えど それは生命の流出
 只流れ出す魂は もがきながら黒紙に苦痛の掻き跡を残す
 
 只 生けるだけ 死ぬだけ 
 何も求めてなどいないのに 堕とされる
 神という存在が無邪気な子に還り 空に燦然とたたずむ星を
 適当に狙い撃ち落とし 遊び喜んでいる様な錯覚
 幾つ数えども 堕ちた星は戻らない

 高々と光る 晃晃と浮かぶ

 その身が堕ちる

 加速度を上げて 白い筋を涙のごとく
 地平線の果てに行き着けば 呆気無い終わり 砕けて散った



 きらきら きらきら

 散らす体は粉雪の様で
 その欠片がまた幾千もの星になり
 同じ道を辿り巡れど 行き着くは同じ終わり
 
 ぱたぱた ぱたぱた
 
 消える魂に流れる嘆き
 何故 何故 と 問う声も虚しく
 散った星々は 然う思う事も出来ぬのに

 何故 何故 散った と
 如何して 如何して と
 
 哀しめど それは嘲笑りに似て
 神の気向くまま 堕ちる身に降る言の葉は
 主に愛求むるものへと 傷を生む

 然うと気付かずに同情を寄せる 神は無知
 然うと知ろうども愛を望む 星は無様


 無邪気な神の嘆きの涙は 星降らす夜の長い雨
作品名:流れ星 作家名:夜鳥