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ミムロ コトナリ
ミムロ コトナリ
novelistID. 12426
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インビンシブル<Invincible.#1-1(2)>

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エリシア海上空-(グアマ天文台標準時0845)
<USV空軍 第15空戦連隊 旗艦アルミラージュ ブリッジ>

 蒼星連盟暦15年(地球西暦換算2140年)2月2日。
ことのはじまりは惑星インパルス最古の歴史を誇る大国、
エアリアル皇国が統治する東ガレフ大陸から南東の地、
ラダム大陸から端を発する。
 ラダム大陸全域の国家を総括するナタルジャ経済連盟。
宗主国であるアラフマード首長国を始めとする数カ国が、
インパルスの衛星軌道上に
居を構えるコロニー共同体組織、”ルィアール商業連盟”と
手を結んだことから事件は始まった。

 ルィアールはかつての旧時代、一時はガレフ大陸全域をほぼ
支配の範疇に置くほどの隆盛を誇っていたニバス共和国を起源とする
企業国家である。
彼らは、約1000年前に通商貿易問題からはじまった戦争において、
エアリアル皇国を旗本とする連合軍と戦った末に敗れ、
宇宙へと追放された。
インパルスを追放されたものの、彼らには商業と経済と貿易を行い、
経済面のみにおいて国際社会に参加する権利だけは認められていた。
彼らは、現在に至るまでの間、資源惑星を開拓しつつ、
宇宙にコロニー群を建造し、そこで独自の経済文明圏を打ち立て
インパルスの国々と交易を行い生活を営んできた。

 アラフマードは、ルィアールのラダム大陸への入植と
市場介入を認める見返りに、技術提携と資本出資を旨とする
交換条約を取り交わした。
アラフマードがルィアールと手を結ぼうとしたのも、
ラダム大陸南方のシーバーク大陸及び、諸島国家群を束ねる
オージリア南洋海域共同体連邦(OSUC)との領海利権を巡る問題が、
のっぴきならない状況に差し迫ってきたのがその背景にある。

『アラフマードが行おうとしていることは、過去にインパルスから
追放された”反逆者”であるニバスの民の罪を免罪する行いで、
彼らをインパルスに回帰させ、再び国際社会に直接介入させることは、
かつて1000年前のエアリアルの経済危機から誘発された世界大戦に
対する過去の反省をないがしろにする行為だ。
アラフマードの行為は、秩序に対する背信そのものである』
と公言し、異議を唱える国があった。

 その国の名は、USV(バーナ地球移民星団連邦)。
エアリアル皇国が統治する東ガレフ大陸の対岸に位置するガルガント大陸。
その地に覇権を唱え、1000年以上前にインパルスへ入植してきた
旧地球移民を祖とする人工国家であった。