小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

うちのじーさんえくすとら

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
◇買い物◇
じーさんの趣味は買い物である。毎日毎日飽きもせずスーパーに通い詰め、よくわからない物を買っては帰ってくる。
それが家計を圧迫しているという事実は今の所ないが、年金が少しずつ少しずつ減らされている現状を考えれば、無駄遣いを押さえた方が良いのは明らかだ。
という訳で、今日も孫はじーさんの買い物について行く。じーさんの無駄遣いを防ぐために。
しかし自分の思うがままあちこちを移動してしまうじーさんを視界に留めていることは難しく、孫はいつも負けてしまう。
家に帰り、気付いたら、ひっそりと金封がエコバッグに潜んでいた。


◇中国語◇
孫が『総合的な学習の時間』で外国語について簡単に調べ、まとめる事になった。
特に孫は、中国語について調べる事にした。じーさんが、中国語を喋れるからである。
戦時中、満州で鉄道を動かしていたらしい(この時の武勇伝は数多くあり、特にギョーザ五十個をたいらげたという話は孫の友人にまで知れ渡っている)じーさんは、勿論中国語がぺらぺらである。とのこと。
「じじ、ちょっと中国語について教えて」
「中国語…?あぁ、シナ語か」
選択を誤ったかもしれない。


◇思いつき大喜利◇
「大自然の緑とかけまして、可愛いあの子のパンチラと解く。その心は、」
「どちらも目に優しい!」


◇夕飯◇
 じーさんと孫は、食の好みが全く違う。
じーさんは若い頃にかまぼこ屋で働いていた事があり、それが高じてなのか魚が好きだ。あとギョーザ。
孫は小学生らしく、ハンバーグやカレーが好きだ。
半世紀以上歳の離れているので、しょうがないと言ったら、しょうがない。
じーさんと孫はお互い納得して、何だかんだで良好な一家団欒の時間を送っていた(朝は孫の起きるのが遅いので、一緒に食べれない事が殆どだ)。
 しかし、孫にはどうにも解せないことがある。今日のじーのさんの御飯のお供だ。
食卓に乗っているのは、孫が作った増えるわかめの味噌汁と、じーさんが大事に漬けたきゅうりの漬物。メインに茄子とひき肉のオイスターソース炒め。
そして、みかんの缶詰。
デザートではなく、これもれっきとしたおかずである。じーさんは、フルーツの缶詰で一膳は軽く食べれるのだ。
これはどうかと思う。
それとも、シラップ漬けされたフルーツで御飯を頂くのは、割と普通な事なのだろうか。それとも、戦争を体験したじーさんならではのものなのだろうか。
なんだか怖くて友達にも言えない孫だった。