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記録

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とある村での出来事だった。

ある日の早朝、若い男の村人が目を覚ますと自分の小指に赤い糸が巻きついているのを見つけた。
その糸はとても長くて、部屋の外まで続いている。
村人は誰かのイタズラだと考え、糸を取ろうと引っ張るが、糸は指を離れなかった。

次に村人はハサミで切ってしまおうと思ったが、その日用事もなく暇だったこともあり、その糸がどこまで続いているのか見に行ってみることにした。

部屋を出て、家を出ても、糸はずっと遠くに続いている。

村人は5分ほど歩き、ふと気づいた。

この赤い糸、村人が糸が続く方向へ歩くと短くなり、逆の方向へ歩くと長くなる。
村人は驚いて、ますますこの先に何があるのか知りたくなった。

それから10分程歩くと、小さな民家があり、その中に糸が続いていた。
村人はたかが糸のために早朝から民家を訪れるのは迷惑ではないかと考えたが、その糸がとても不思議な糸だったので、家の戸を叩くことにした。

戸を叩くとすぐに中から若い女性が現れた。
そして驚くことに、赤い糸はその女性の小指に続いていたのだ。

長かったはずの赤い糸は短くなり、2人を結んでいる。

女性はこの赤い糸は村人の仕業か尋ね、村人は違うと答えた。
すると女性は、村人に家の中に入るように言い、中でお互いに知っていることを話し合おう、と続けた。

話し合った結果、その赤い糸が一体何なのかは分からなかった。
だが、2人は話をしているうちに恋に落ち、生涯を共にするまでになったのだ。


そして、この赤い糸は、2人だけに現れたのではなかった。
村の至る所でこの赤い糸が発生、糸で結ばれた者たちは例外なく恋に落ちた。
そして2人が結ばれた時、糸は消えていった。

この糸はいつしか「運命の赤い糸」と呼ばれるようになった。
だが運命は甘いものばかりではなかった。
赤い糸は、大体のものは糸を持つ者が歩けば伸縮した。

だが数人の者の糸は伸びるのだが、縮まない。
そんな者たちの糸は、2人が出会うまでに糸が絡まってしまう。
そうなってしまった糸は、もう2度とは戻らない。
そして、糸が絡まったまま2人が過ごしていると男の方が必ず死んでしまう。
それを回避するためには糸をハサミなどで切ってしまうしかないが、そうすると2人はそれぞれの存在や思い出を忘れてしまい、2度と出会うことも結ばれることもない。

作品名:記録 作家名:三上はち