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空は繋がってるから大丈夫

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「蓮―!夏休みだからって遅くまで寝てないで早く起きなさいー!!!」

8月。蝉が一生懸命鳴いている朝
俺はいつも通り母親に起こされた

今日もいつもと同じように1日が過ぎていくのだと思っていた

「おはよ…」

目をこすりながらリビングに降りていくとさっきまで威勢よく声を出していた母親が受話器をもって呆然としていた。

「えっ…嘘でしょ?そんな…憬ちゃんに限って…そんな……」

その言葉を聞いた時俺の頭の中で何かが止まった

憬…。

憬は俺の幼馴染。そして初恋の相手。6年前に引っ越してそれ以来は手紙とかで繋がっていたが
この頃は返事が来ていない
入院しているからだ。もう長くはないらしい。
絶対何かヤバいことがおきた。


「制服に着替えなさい。」
電話を切った母親はそれだけしか言わなかった

「憬に何かあったの?」

俺の質問に母親は目を赤くしながら一言だけ言った

「今日の朝、亡くなったって」


頭が真っ白になった

あの憬が死ぬわけない

絶対嘘に決まっている。そうだよ、退院したからって驚かそうとしているんだ

母親の運転で憬の家に向かった

車の中で俺はただただ6年前の約束について思い出していた

6年前。もう憬の病気はわかっていた。俺以外のみんなが。

10歳の俺に憬の病気なんかわからないと思ったんだろう
そりゃあ今だってわかんねーけど

その夏休みはたくさん遊んだんだ
海もプールも夏祭りも花火大会も全部憬と一緒にやった

俺が憬の引越しを知ったのは憬が引っ越す当日

きっとまた会えるよ
と約束をしたんだ。

今日、やっとその約束が果たせる

どんな奴になっているのか楽しみだった。


約1時間後。憬の家に着いた

おばさんもおじさんも変わっていない

「このたびはご愁傷さまでした」

そんな言葉が隣から聞こえてきた

は?冗談だろ?
まさか本気で、憬は…