星の降る夜
お返しにめいいっぱいの笑顔を、けいがに送った。
答えるように白い歯を見せて、けいがは笑った。
それでいいんだと、聞こえた気がした。
けいがは宙をける。
キラキラと輝いて、天へと上っていく。
それは毎夜、つきせと星の海の中を駆け回ったけいがの姿だった。
「お前は苦しみの叫びだと言っていたな。確かに苦しいと叫ぶものもいるだろう。けれどあれは死に行く者の最後のメッセージ。新しい未来を目指すための最後の産声だ……」
隣でそんな星使いの言葉を聞きながら、つきせは空を見上げた。
幾千幾万のかがやく星々。
その中の星が一つ、闇の上を滑り落ちる。
けいがの星が、次の未来へ向かって。
「星使い様」
真っ直ぐつきせは星使いを見上げた。
その瞳は今までのように不安定ではない、澄んだ夜の色をしていた。
「ありがとうございました! それから、これからも宜しくご指導お願い致します!」
一気にあたまをさげて、それからぱっと笑った。
つられて星使いも声を立てて笑い出す。
夜の闇に、二人の笑い声はこだました。
そうして、つきせも新たな未来への一歩を踏み出した。
本当の星狩りとしての、自分だけの仕事を行うために。