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【リリなの】Nameless Ghost

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序章 第九話 家族の終わり、そして……



 目覚めは悪くなかったと、アリシアは車椅子を動かしながらそう思っていた。
 一晩休んだおかげか、アリシアの利き手である左手は、車椅子の操縦桿を動かせられる程度には動くようになり、外傷も軽傷程度に過ぎなかったため、時間を限定してだが艦内を動く許可が得られたのだった。

《There is physical strength only not and the others were in good order.It was anxious and it did loss.》(体力がないだけで他は異常なし、ですか。心配して損しました)

 昨日返却するタイミングを逃したレイジングハートは、アリシアの首元でチカチカと光を明滅させる。

「デバイスに心配されるのも癪だけどね、ひとまず礼は言っておくよ」

 アリシアは慣れない車椅子の操縦に四苦八苦しながらも、アースラの食堂を探してウロウロとしていた。

《Can you not be satisfactory only in the intravenous drip?》(点滴では満足できませんか?)

 アリシアは、自分の肘部に突き刺さった管と頭上にぶら下がるパックを憎々しげに見上げ、ため息をついた。

「カロリーは足りてるんだろうけど、空腹は満たされないのがね、どうも辛い」

《But however, don't think that it is possible to get a meal even if it supposes that it went to the dining room?》(ですが、食堂に行ったとしても食事がもらえるとは思いませんが?)

「人間は、必要分だけでは生きられないんだよ」

 人生には無駄が必要だと自ら論じていたベルディナの言葉通り、アリシアもその教えに忠実だったようだ。

《If you gaze at someone by the look like the abandoning dog, the food may be able to be given from the someone.How as for announcing some about one accomplishment, is it?》(まあ、捨てられた子犬のような眼差しで誰かを見つめていれば、何かもらえるかも知れませんね。一つぐらい芸でも披露してみてはいかがですか?)

 アリシアは、フム、と言って少し考えた。
 中身はどうあれ、アリシアは(黙ってさえいれば)あどけない美少女に見えるし、(出来るモノなら)首をかしげてニッコリと微笑めば老若男女に保護欲を抱かせる事も出来るだろう。
 なるほど、彼女が今身につけている真っ白な病人服である袖無しのワンピースにしても、病弱で儚い少女を演出することも可能ではないか。

「お前にしては良いアイディアだね。それで行くか」

「何を馬鹿な事を垂れ流している、アリシア」

 と、方針も決まりいざ戦場へと意気込むアリシアの背に、黒のバリアジャケットに身を包んだクロノが声をかけた。

《Hi, Low enforcement officer.How is the mood?》(あら、執務官殿。ご機嫌麗しゅう)

 レイジングハートは、そう言ってアリシアにこっそりと念話を伝えた。

『《Whether or not it is good AliciaIt is that there is to let's vomit with the accomplishment.》(良いですか、アリシア嬢。芸とはこうすることなのですよ)』

『む、そうか』

 と、アリシアは答えながら、背後の執務官(獲物)に車椅子をゆっくりと振り向かせ、にこやかな笑みを表情いっぱいに浮かべながら、ちょこっと小首をかしげ、

「おはようございます、執務官様。これからお食事ですか?」

 まるで宇宙のどこからか、「パーフェクトだ、ウォ○ター」という声が響き渡ってきそうなほど、彼女の仕草はクロノの心臓に矢を突き立てるに十分な威力を持っていた。

「!!!! に、に、似合わないことをするものではないぞ!! アリシア!!! お、大人をからかうんじゃない!!」

 エイミィがいれば、一週間は話題にされそうな反応を返しながら、クロノは顔を真っ赤にしながら二、三歩後ずさった。

「ん、やっぱり駄目か」

 アリシアは表情筋をゆるめ、眉をひそめた。

《No, the easily good picture came off.Later, let's show to Limietta assistant officer.》(いいえ、なかなかいい絵がとれました。後で、リミエッタ補佐官に見せてあげましょう)

「やめろ!! レイジングハート、それだけはやめてくれ!!」

 まるで、恋人を人質に取られた男のように、クロノは今にも平伏しそうな勢いで叫んだ。

《If being to be, is it possible to accept the demand of Ms.Alicia?》(でしたら、アリシア嬢の要求を呑んでいただけますか?)

「うっ、ぼ、僕が出来る範囲なら」

《Its situation seems not to be distinguishing between you well.I am ordering that it isn't requesting.Can you understand this word?》(あなたは自分の立場がよく分かっていないようだ。私はお願いしているのではありません、命令しているのです。あなたはこの言葉を理解できますか?)

 まるで、何処ぞのマフィアみてぇだな、とアリシアは思いながらアリシアはそのまま黙って行く末を見守っていた。
 高性能とはいえ、ただのインテリジェントデバイスに傅く管理局の執務官。うん、実におもしろいシチュエーションだ。

「き、君は僕を脅迫するのか!?」

《Unexpectedly, Low enforcement officer.To follow a direction is your will.but it is of the same thing that the penalty of something is given if however, don't follow but where however》(心外ですね、執務官。命令に従うかどうかはあなたの意志です。もっとも、従わなければ何かしらのペナルティーが与えられるのは、何処でも同じ事ですが。)

 それを脅迫というのだという言葉はすぐに却下されるだろう。クロノは、結局首を縦に振るしか他がなかった。

「わ、分かった。アリシアの願いは何だ?」

 ようやく私に話が回ってきたか、とアリシアは終わってしまったコントを残念に思い、要求を申し渡した。

「腹が減ってね、出来れば飯を食わせてくれないか」

 クロノの目が点になった。