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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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マ界少年ユーリ!

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 ローゼンクロイツは白い毛皮を首に巻いている程度で、ルーファスはそれほど厚着ではない。なのにまったく寒そうにしていない。
 子供は風の子という問題ではないのかあきらかだ!
 ルーファスはポケットから何か取り出して、不思議そうな顔をしてユーリに尋ねる。
「これ使ってないの?」
「なんですかこれ?」
「クラウス魔導学院購買部オリジナル商品、使い捨てカイロだよ。太陽神アウロの力がどーとかこーとかで、どんな寒さでもへっちゃらだよ」
「……早く出せよ!」
 ユーリちゃんのグーパンチ炸裂!
 ルーファスの鼻血が雪を鮮やかに彩った。
 さっそく説明書を読んだユーリは、背を向けておへその下にカイロを貼った。この場所に貼ることによって、全身がぽっかぽかになる仕様らしい。
「嗚呼、春のような心地よさ(まるでお兄様の温もりのよう)」
 そんな幸せ気分のユーリは迫り来る危機にまったく気づいていなかった。
 遠くを眺めていたローゼンクロイツがボソッと呟く。
「……雪崩(ふにふに)」
 波というよりもはや壁。巨大な雪崩が三人を呑み込もうとしていた。
 すぐさまローゼンクロイツは持っていた日傘を開いて盾にした。
 慌てたルーファスはとりあえず盆踊り。
 ユーリは雪の壁に満面の笑み。
「あはは、絶対死ぬし」
 ズザァァァァーーーッン
 雪崩はすべてを呑み込んでしまった。