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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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マ界少年ユーリ!

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「(大事な話なら忘れないでよ)どのような話でしょうか?」
「実は……父が行方不明なんです!」
 今すぐ捜索願届けを提出しましょう!
 アインが知らないということは、母親のアルマも知らない可能性が出てきた。
 ユーリは難しい顔をして考えはじめた。
「(奥さんはまるですぐに帰ってくるみたいな言い方してたけど、行方不明ならそうだって言って鍛冶対決を辞退すればいいのに。なんでわざわざくだらないウソを付くんだろう?)どうして行方不明になったんですか?」
「わからないです。母に訊いてもタバコを買いに行ってるとか、パチンコに行ってるだけだからって……でも、一週間も帰ってこないんですよ、奥さん事件ですよ!」
 もしかしたらアルマはなにか事情を知っているかもしれない。
 その前にアインから聞き出せることを訊いておこう。
「過去に同じようなことはなかったんですか?」
「父が長々と店を放棄することはありましたけど、ちゃんと言付けを残してました。その間は母とわたしで店を守り抜くんです。でもこの度の事例は……きっと悪の組織に捕られられてるんです!」
「悪の組織に心当たりが?」
「……ありません。雰囲気で言ってみただけです(父は正義の味方マニアですし)」
 ノリでした、ごめんなさい!
 ため息を漏らしながらユーリは質問を続ける。
「お父様が行方不明という話をジャドにはしたんですか?」
「至極できないですよ、同胞と言えどあの人恐怖なんです。授業中もあのフードをお取りにならないんですよ、怪しい人を略して怪人じゃないですかっ!」
「(怪しいというか、ただのネット通販好きだけど)ならアタシがお母様に尋ねてきます」
「あの……わたしはここで待機コマンドでいいですか? 昨今、お母さんピリピリしてて恐怖なんです」
「大丈夫です、中にはジャドもいますから」
 さっそくユーリは店の中に戻り、ブスッとしているアルマの前に立った。
「行方不明らしいですね、アナタのダンナさん」
 その言葉を聞いたアルマの瞳がギラーン!
 ぶっ飛ぶナイフ、豪雨のごとし!
 アルマによって投げえられたナイフを必死でかわすユーリ。
「アタシを殺す気か!」
「殺されたくなかったらさっさと出てお逝き!」
 逝きたくありません!
 ナイフがユーリの股間の下を抜けた。
「(……今、自分がオトコだってことを思い知らされた)」
 女の子にはわからないキューんとした感覚。
 あとちょっとナイフがズレていたらオトコとして再起不能になるところだった。
 よし、逃走しよう!
 ユーリは冷や汗を流しながら店の外に飛び出した。
 外で待っていたアインがすぐに駆け寄ってきた。
「顔面蒼白ですけど、大丈夫ですか?」
「あはは、大丈夫。うん、お父様はきっと帰ってくるから大丈夫!(ウソだけど)」
 ウソかよっ!
 そして、ユーリは笑いながら逃げ去った。
 ジャドも追い出されたようで、店の中から出てきた。
「ユーリのせいで俺まで追い出されてしまった。しかもどこに行ったんだアイツ」
 辺りを見回すジャドがアインを見つけた。
「……ん、アインじゃないか?」
「こんにちは、そしてさようなら!(こ、怖いよ、あの人恐怖です!)」
 ジャドと眼が合ってアインも逃亡。
 残されたジャドは首を傾げながら深く息をついた。
「なにかしたか?」
 言えやしない、言えやしない……ジャドの背中にナイフが刺さってるなんて、言えやしないよ!
 どーやらジャドは痛みに鈍感らしい。