マ界少年ユーリ!
第2話 ドリームにゃんこ in 夢(む)フフ5
クラウス魔導学院の近くにある人気のカフェ?メルティラヴ?。普段は生徒たちの溜まり場になっているが、今日は休日ということもあって、ここにいる生徒は二人だけだった。
「あのさぁ、私は人を追ってる最中でさ、こんなところでスイーツなんか食べてるヒマないんだけど(僕のサイフからお金が消えていく)」
一人目は、ルーファスだった。
「別にいいじゃん。こないだ約束破ったルーちゃんなんだよ、今日はルーちゃんのおごりでいっぱい食べるんだから!」
二人目は、テーブルに並べられたスイーツの山を笑顔で食べているビビだった。
ピンクのツインテールを揺らしながら、ビビは次から次へとスイーツを口に放り込んで行く。
サイフと相談しながらルーファスはため息を漏らした。
「はぁ、ついてないなぁ」
ルーファスは?変な男?を捜している途中、ばったりビビと出くわしてしまった。そしたら、数日前の約束を破ったとかなんとかって話になって、スイーツをおごらせれるハメになったのだ。
ちなみに数日前とはルーファスがユーリを召喚した日だったりする。
倹約のためにルーファスはスイーツを食べたくても食べず、ぼーっとガラス窓の景色を眺めていた。
街を行き交う人々。
そして、若者にからんでいる黒頭巾の変態。
「……あーっ!(あの人だ、やっと見つけた!)」
大声をあげたルーファスは席を立った。
「どこ行くのルーちゃん?」
「ちょっと急用!」
「行っちゃダメだよ、約束破る気?(せっかくのデートなのにぃ)」
「ごめん、サイフ置いていくから、じゃあね!」
ルーファスはサイフをテーブルに叩きつけて店を出て行ってしまった。
「もぉ、ルーちゃんったら!」
ビビはほっぺたを膨らませてケーキにフォークを突き刺した。
ヤケ食い開始!
作品名:マ界少年ユーリ! 作家名:秋月あきら(秋月瑛)