サンドイッチ
相手は学校の先生。髭のステキで笑顔が可愛い先生だ。
最近は友人をほったらかして昼ご飯に誘う事に成功している。
毎日一緒に食べてたら友人に怒られた。かわいかった。
しかし懲りずに今日も昼ご飯を一緒に食べている。今日のメニューは私がタマゴのサンドイッチ(私の手作りだ)で、先生はハムカツサンド(こっちも私が作った)だ。
「先生、昨日友達に怒られちった」
「ん?なして?」
「最近お昼一緒してくれないって」
「あっはは、そりゃあ先生なんか毎日誘うからだよ。そろそろ友達も相手にしてあげたら?」
「やだよそしたら先生昼ご飯食べないじゃん」
そう、先生は「お腹がすかないから食べなくても平気」なんだそうだ。
それでこうして毎日私が作ってきて無理矢理食べさせている。
自慢じゃないが私は料理がうまい。
幼い頃から料理が好きで、働き詰めだった親の代わりに作っていたのだ。
「だってお腹すかないし…」
「はいはいしってるしってる、でも食べないとダメだっての」
「…いいお嫁さんになるんだろうなあ君は」
「…そーだね」
人の気も知らずによく言うよ。
ちょっとだけ、嫌がらせでもしてやろうか。
「ねえ先生は結婚しないの?」
「あー、面倒だしねえ…それにほら、出会いもないし、先生モテないし」
「モテそうなもんだけどなあ…気になる人とかいないの?」
「…いや、今はいないかな」
嘘。知ってるよ。
本当は知ってるんだ、先生の好きな人。先生がゲイだってことも知ってる。
授業中に目で追ってるんだもん、わかりやすいよ。
だって私もずっと先生のこと見てるんだから。
でも、私は知ってる、先生の好きなソイツが先生の事が嫌いな事を。
ソイツは私のことが好きで、私に構われている先生が嫌いなんだ。
だって私はアイツが嫌いだ、先生の好きなアイツが。
ー先生も、アイツの好きな私を、嫌いなんだろうか。