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タカーシャン・ソレイユ
タカーシャン・ソレイユ
novelistID. 70952
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四季という人間の鏡

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四季という人間の鏡


四季とは、
自然の都合で生まれたものではない。

もしかすると四季とは、
人間の心を映すために
この世界に置かれた
巨大な鏡なのではないか。

春。
理由もなく心がほどける季節。
新しい何かが始まりそうな予感。
それは自然の芽吹きではなく、
人間の希望の形である。

夏。
生命が一番燃える季節。
太陽の強さ、汗、情熱、衝動。
これは自然の熱ではない。
人間の生命が外にあふれ出した姿である。

秋。
なぜか人は物思いに沈む。
風が吹くだけで、
過去や記憶が胸を通り過ぎる。
落ち葉はただの葉ではない。
心の中の時間が静かに落ちているのである。

冬。
世界が静まり返る季節。
孤独、沈黙、内省。
しかしその奥には、
次の春を準備する
見えない生命の力が眠っている。

人間は、
この四つを一生で経験する。

しかし不思議なことに、
それは一年でも起こり、
一日でも起こり、
ときには一瞬でも起こる。

出会った瞬間が春であり、
燃え上がる瞬間が夏であり、
別れた瞬間が秋であり、
失った瞬間が冬である。

つまり四季とは、
時間の長さではない。

心の変化の速度を、
自然がゆっくり見せてくれているもの
なのである。

人間の一瞬の感情を、
自然は一年という時間に広げ、
静かに、丁寧に、
見せてくれている。

だから人は
春に希望を感じ、
夏に生きる力を感じ、
秋に人生を思い、
冬に自分と向き合う。

それは季節を感じているのではない。

自分という生命の四季を、
自然の中に見ているのである。

四季とは、
人間の心が
一年という時間に
翻訳されたものなのだ。