米沢〜福島 峠の力餅
時代はどれほど進んでも
峠を越える人間の姿は変わらない。
昔は徒歩だった。
やがて馬になり、
汽車になり、
車になり、
そして今は新幹線が走る。
それでも
峠という場所だけは
人の心を少し立ち止まらせる。
峠とは
単なる地形ではない。
人生の途中にある
「小さな節目」なのである。
疲れた人が休み
旅人が景色を見て
少し元気を取り戻す場所。
そこで手渡されるのが
この峠の力餅だ。
名前がいい。
ただの餅ではない。
「力餅」。
人は峠を越えるとき
少しだけ力がいる。
人生も同じだ。
仕事の峠
人間関係の峠
病の峠
孤独の峠。
誰もが
いくつもの峠を越えていく。
そのたびに
誰かが差し出してくれる
小さな力。
それは
言葉だったり
笑顔だったり
こうした土産だったりする。
この餅は
ただ甘いだけの菓子ではない。
峠を越える人へ
「もう少し頑張れ」
と静かに背中を押す
日本の知恵なのだ。
だからだろう。
時代が変わっても
この土産は消えない。
人間が
峠を越えながら生きる限り。
峠の力餅は
これからも
旅人の袋の中で
静かに人を励まし続ける。
作品名:米沢〜福島 峠の力餅 作家名:タカーシャン・ソレイユ



