透徹者
存在
使命
価値
人は
それを語る
だが
語ることと
わかることは
まったく別の次元にある
人の存在を
本当に理解できる者は少ない
透徹した人格だけが
その人の沈黙の奥にある
個性を見抜き
歩いてきた過去を感じ取り
まだ来ていない未来まで
直感する
表情の一瞬
言葉の隙間
沈黙の重さ
そこに
人生の全履歴が滲んでいることを
知っているからだ
だから
励ますことは
簡単ではない
軽い言葉は
空気を震わせるだけ
本当に人を励ませる者は
ごくわずか
人の存在の重さを
自分の心で
一度引き受けたことのある者だけだ
そして
そういう人は
めったに言葉を多くしない
透徹は
信念に宿る。
〈人を見る力〉
人を見る
それは
顔を見ることではない
肩書きを知ることでも
言葉を聞くことでもない
人を見るとは
その人の奥に流れる
時間を見ることだ
なぜその言葉を使うのか
なぜその沈黙を選ぶのか
そこには
幼い日の傷や
長い努力や
誰にも言わなかった孤独が
静かに積もっている
透徹した者は
そこを見る
怒りの奥の悲しみ
強さの奥の恐れ
笑顔の奥の祈り
人は
見られていないところで
本当の姿を持っている
それを
そっと見つける力
それが
人を見る力だ
そして
その力を持つ者は知っている
人は
裁くものではなく
理解されることで
少しずつ
立ち上がる存在だということを。
〈励ましの資格〉
励ます言葉は
この世にあふれている
頑張れ
大丈夫
きっと良くなる
しかし
言葉は多いが
励ましは少ない
なぜなら
励ますとは
相手の人生の重さを
一瞬
自分の胸に引き受けることだからだ
その重さを知らない者の言葉は
風のように通り過ぎる
透徹した者は
軽く励まさない
沈黙のあとに
たった一つ
言葉を置く
その言葉は
力強くもない
派手でもない
けれど
相手の心の奥に
静かに沈み
長い時間をかけて
人を立ち上がらせる
励ましとは
言葉の技術ではない
人格の深さが
にじみ出たものだ
だから
本当に人を励ませる者は
多くない
励ましには
資格がある
それは
人の痛みを
逃げずに見たことのある者だけに
与えられる。
作品名:透徹者 作家名:タカーシャン・ソレイユ



