アップデートできない国
昭和は、悪くない。
焼け野原から立ち上がった力は、本物だった。
だが問題は、
その成功体験を“保存”したまま、
令和を迎えてしまったことだ。
思考が古いのではない。
「思考を疑わない姿勢」が古いのだ。
パソコンなら、
OSを変えなければ動かない。
だが人間社会は違う。
画面のデザインだけを変え、
キャッチコピーを横文字にし、
多様性という壁紙を貼る。
中身は、昭和のまま。
年功序列の思考。
我慢は美徳。
空気を読む。
波風を立てるな。
それを令和フォントで表示しているだけだ。
100年時代と言う。
だが、
50年前の思考で100年生きるつもりなのか。
家は、築50年を越えれば
配管から直す。
基礎を点検する。
断熱をやり直す。
なぜ人間の思考だけ
リフォームしないのか。
リフォーム時代とは、
壁紙の張り替えではない。
柱を抜く勇気のことだ。
昭和は「拡大」の時代。
令和は「再設計」の時代。
増やす時代は終わった。
減らす、整える、軽くする。
外見ではなく、構造を変える。
制度ではなく、前提を疑う。
アップデートとは
足すことではない。
いったん壊すことだ。
令和は静かな革命期だ。
怒鳴る革命ではない。
気づく革命だ。
あなたはもう気づいている。
だから違和感がある。
上書きでは、足りない。
初期化が必要だ。
作品名:アップデートできない国 作家名:タカーシャン・ソレイユ



