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タカーシャン・ソレイユ
タカーシャン・ソレイユ
novelistID. 70952
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三部作『円環の中で、何度でも』

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『枯れるという奇跡』

枯れるとき、
それは衰退ではない。

水が足りない、
光が足りない、
風が強すぎる、
根が疲れている。

いくつもの条件が、
偶然のように重なり、
「その瞬間」がやってくる。

しかし本当に偶然なのだろうか。

無限にある事柄の中から、
ほんのわずかな要素が揃い、
ひとつの現象が生まれる。

花が咲くのも奇跡なら、
枯れるのもまた奇跡だ。

私たちは「枯れた」と言う。
けれどそれは、
無数の出来事が整った結果である。

人生も同じだ。

崩れるとき、
離れるとき、
終わるとき。

それは失敗ではない。
無限の条件が一致した、
ただの必然の瞬間。

不思議なのは、
その瞬間を
私たちはいつも
あとから理解することだ。

枯れることは、
終わりではない。

条件が変われば、
また芽吹く。

世界は偶然の顔をした必然でできている。

そして私たちは、
その交差点に立っている。


『芽吹き』

芽吹きは、
突然のようでいて、
長い沈黙の結果である。

土の下で、
誰にも見えない時間が続いていた。
凍える夜も、
重たい土圧も、
暗闇も。

何も起きていないようで、
すべてが準備だった。

条件が整う。
温度、湿度、光、
そして、
もう一度信じてみようとする
小さな意志。

その瞬間、
殻はひび割れる。

芽吹きとは、
外に向かう勇気ではない。
内に蓄えた力が、
あふれただけだ。

偶然に見えるが、
無限にある可能性の中から、
ひとつが選ばれただけ。

枯れることが奇跡なら、
芽吹きもまた奇跡。

終わりと始まりは、
別々の出来事ではない。
同じ円の、
静かな回転。

私たちは、
何度でも芽吹く。

年齢も、
肩書きも、
過去も関係ない。

条件が整えば、
命は必ず動く。

不思議なのは、
芽吹きはいつも、
「もう無理だ」と思った
そのすぐあとに来ることだ。



『実る』

実るとは、
派手なことではない。

咲き誇る瞬間よりも、
ずっと静かだ。

芽吹き、
伸び、
風に揺れ、
虫にかじられ、
雨に打たれ、
それでも残ったものが、
やがて重くなる。

実りは「勝利」ではない。
通過した時間の重さだ。

条件が整う。
光だけでは足りない。
水だけでも足りない。
痛みも、
迷いも、
遠回りも、
すべてが揃って、
ようやく一粒になる。

偶然に見える。
しかし無限の出来事の交差が、
ここに集約している。

実るとは、
集まること。
削ぎ落ちた結果、
残った核心。

やがて実は落ちる。
それもまた必然。

落ちることを恐れないものだけが、
次の芽吹きを内包している。

枯れる。
芽吹く。
実る。

三つは別々ではない。
ひとつの円環の、
違う地点にすぎない。

私たちは
何度でも枯れ、
何度でも芽吹き、
何度でも実る。

年齢に終わりはない。
終わるのは、
挑戦をやめたときだけ。

実るとは、
生き切った証ではなく、
また始まる準備である。