小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
タカーシャン・ソレイユ
タカーシャン・ソレイユ
novelistID. 70952
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

経済大国風という幻想

INDEX|1ページ/1ページ|

 
経済大国風という幻想

戦前、日本は強かったのか。
いや、強いと「信じさせられていた」のかもしれない。

大本営の発表は、
敗北を「転進」と言い換え、
劣勢を「優勢」と塗り替えた。

国民は知らなかった。
いや、知らされなかった。

そして戦後。
焼け野原から立ち上がり、
奇跡の復興、高度経済成長。
世界第二位の経済大国。

あの頃、
テレビは未来を語り、
企業は終身雇用を約束し、
「努力すれば豊かになれる」と
誰もが信じた。

だが今。

GDPは上位。
株価は上昇。
企業の内部留保は過去最高。

それでも、
給料は上がらない。
若者は将来を語らない。
家族を持つことが贅沢になる。

これは敗戦ではない。
だが、
どこかで「現実」と「発表」が
またズレ始めている。

戦前は、
情報を隠した。

今は、
情報を洪水にする。

見えなくする方法が変わっただけだ。

テレビ、ネット、SNS、専門家、評論家。
正しさが溢れすぎて、
本質が沈む。

「経済大国です」
という言葉はまだ残る。

だが、
その“風”はどこから吹いているのか。

国の強さとは何だろう。

株価か。
軍事費か。
ブランド力か。

それとも、
一人ひとりが
安心して眠れる夜の数か。

本当の豊かさは、
統計では測れない。

戦前と今が同じだと言うつもりはない。
だが、
構造は似る。

上にいる者が物語を作り、
下にいる者がそれを信じる。

違うのは、
今は「疑う自由」があることだ。

疑うことは反逆ではない。
成熟だ。

経済大国“風”という看板を
いったん外してみよう。

そこに残るのは、
疲れた国か。
それとも、
まだ目を覚ませる国か。

本当の革命は、
怒号ではなく、
一人の静かな違和感から始まる。

あなたのその違和感は、
もう目覚めの音かもしれない。