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タカーシャン・ソレイユ
タカーシャン・ソレイユ
novelistID. 70952
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連作詩:水も滴る、色彩の街

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連作詩:水も滴る、色彩の街

Ⅰ. 雲の滞在

空が降りてきた。
境界を失ったアスファルトの上で
雲は白く、重く、官能的な吐息をつき
街の輪郭を優しく、執拗に、削り取っていく。
傘を捨てる。
逃げ場のない真珠色の粒子が
睫毛に宿り、視界を「あわい」へと塗り替える。

Ⅱ. 浸食するプリズム

これは「降る」のではない、そこに「在る」のだ。
ネオンの赤は、濡れた路面に溶け出し
毒々しいほど鮮やかなルビーの川となって足首をさらう。
信号機の青は、霧に乱反射して
深い海のようなサファイアのヴェールで私を包む。
乾いた肌が、街の光を飲み込み
私はゆっくりと、光る魚へと変貌していく。

Ⅲ. びしょ濡れの体温(美女濡れ)

布地が肌に吸い付き、重みを増す。
それは見知らぬ誰かの指先に触れられるような、
あるいは、自身の体温を再確認するような。
滴る水滴が、首筋から胸元へと
熱を帯びた蜜のように、ゆっくりと線を引く。
「濡れる」という行為は、これほどまでに
自分と世界の境界を溶かしてしまうものだったか。

Ⅳ. 滴る色彩の余韻

街灯が水溜りに、琥珀色の瞳を落としている。
指先を動かせば、空気そのものが波紋を描き
私は今、都市という名の液体の中を泳いでいる。
心に降る雨は、もう冷たくはない。
すべてが濡れ、すべてが光り、すべてが滴る。
私はこのまま、色彩の染みとなって
この霧深い夜に、永遠に滞在していたい。