地球二周半のいのち
人は、
じっと座っているだけの日もある。
考え込んで、
動けない日もある。
けれど――
体の中では、何も止まっていない。
血液は一日に約10万キロを旅するという。
地球を二周半。
私が動かなくても、
心が止まりそうでも、
いのちは、地球規模で働いている。
誰にも褒められず、
誰にも見られず、
赤い流れは、今日も黙々と走っている。
心臓は約十万回、打つ。
迷いなく、文句なく、条件もなく。
「今日は気分が乗らないので休みます」
とは言わない。
若い頃、
前のめりに走っていた頃の私。
拳を握り、歯を食いしばり、
世界を相手に闘っていた。
あの頃は、
自分が回していると思っていた。
だが違う。
回していたのは、
この静かな鼓動だった。
地球二周半。
営業で頭を下げていた日も、
家族のために踏ん張った夜も、
誰にも言えない孤独も、
血は、ただ流れ続けた。
生涯青春、生涯挑戦。
それは特別な決意ではないのかもしれない。
血液は、
毎日、挑戦している。
止まらないことに。
届け続けることに。
生かし続けることに。
私たちは
止まっているようで、止まっていない。
いのちは今日も
地球二周半の距離を、
静かに、確実に、生きている。
だから今日、
少し疲れていてもいい。
流れは、あなたの中で、
すでに前進している。
それだけで、
十分、すごい。
作品名:地球二周半のいのち 作家名:タカーシャン・ソレイユ



