使命を生き切った人
使命を生き切った人に
エンゼルケアはいらない
白布も
化粧も
整えられた指先も
もう必要ない
なぜなら
その人は
生きているあいだに
すべてを整えてきたからだ
泣きながら決めた覚悟も
震えながら進んだ一歩も
誰にも言わなかった後悔も
逃げずに
抱きしめて
自分の中で
光に変えてきた
だから最期は
静かだ
顔は凪の海のようで
まぶたの奥に
やり切った空が広がる
触れなくても
わかる
この人は
自分の物語を
最後の一行まで
書き終えたのだと
整える必要などない
その人生そのものが
すでに
祈りであり
完成であり
輝きだから
使命を生き切った人は
死の向こうでさえ
まっすぐ
光っている



