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タカーシャン
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「安さ」という名の麻薬が切れる時

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「安さ」という名の麻薬が切れる時

── 2026年、経済安全保障の最前線から ──

お薬手帳を眺めながら、その背後にある「地政学」を想像する日本人がどれほどいるだろうか。今、私たちの日常を支える「蛇口」が、音を立てて閉まろうとしている。

昨今の物価高は、単なるインフレではない。日本が長年享受してきた「安価な輸入依存」というモデルが限界を迎えた、構造的な悲鳴である。特に深刻なのが、抗菌薬などの「医薬品原薬」と、ハイテク産業の心臓部「レアアース」だ。これらはいわば現代社会の生存に直結する。

先月(2026年1月)、中国政府は軍民両用技術の輸出管理を強化し、レアアースの対日供給を事実上「武器化」する姿勢を鮮明にした。輸入停止が1年続けば、日本の実質GDPを1%近く押し下げるとの試算もある。一方で、命を救う抗菌薬の原料もまた、その大部分を特定の隣国に握られている。有事になれば、ミサイルが飛ばずとも日本の医療現場は数週間で「弾切れ」を起こすだろう。

この危機に対し、高市政権が進める「経済安全保障」の強化は、本来であれば国を挙げた急務のはずだ。厚労省が異例の予備費71億円を投じて原薬備蓄を急ぐのも、その「時間切れ」への焦燥感からに他ならない。しかし、世論の目は冷ややかだ。目先の「物価高」への不満が、将来の「生存コスト」への理解を上回っている。

「茹でガエル」の比喩がある。徐々に上がる温度に気づかず、気づいた時には逃げられなくなっているカエルの姿だ。今の日本国民は、まさにこの状態にいないか。安価な食事で栄養バランスを崩し、将来の健康を削りながら、同時に国の防衛策を「コストの無駄」と切り捨てる。このままでは、いざ供給網が断絶し、生活が立ち行かなくなった際、人々は口々にこう叫ぶだろう。「政治が悪い」「高市が悪い」と。

だが、厳しい真実を言えば、政治が「自立」を叫ぶ背景には、私たちが依存し続けてきた「安さの代償」が隠れている。自国の薬、自国の資源、自国の防衛。これらを手にするには、相応のコスト負担と「覚悟」が必要だ。

批判するのは容易い。しかし、目を覚ますべきは政治だけではない。私たちの「無関心」こそが、最も深刻な安全保障上の脆弱性ではないだろうか。