『令和ブラック企業』
スーツは着ない。
名刺もない。
でも年商は一流企業級。
それが
特殊詐欺株式会社。
社訓はシンプルだ。
「人の弱さを利益に変えろ」
孤独は商品。
不安は市場。
親の愛は換金可能。
君は
バイト感覚で入るかもしれない。
「受け取るだけ」
「かけるだけ」
「俺は指示された側」
だがな、若者よ。
そこにあるのは
金ではない。
信頼の死体だ。
ばあちゃんが震える声。
親が子を疑う瞬間。
社会が他人を信じなくなる音。
その音は
一生、耳から離れない。
闇企業は福利厚生がない。
退職金もない。
あるのは前科と、
心に刻まれる腐臭だけだ。
令和は
AIもSNSもある。
だが
魂まで売る必要はない。
簡単な金ほど
重い鎖になる。
一度はめたら
外れない。
若者よ。
革命を起こすなら
奪う側じゃない。
守る側に立て。
騙す知恵があるなら
救う知恵に使え。
その頭脳で
社会を壊すな。
創れ。
闇の大企業に就職するな。
君は
もっと高く跳べる。
作品名:『令和ブラック企業』 作家名:タカーシャン



