反対多数の勝利が、国を傾けるとき
衆議院選挙で自民党が「圧勝」した。
だが、冷静に数字を見ると、奇妙な違和感が残る。
自民党に投じられた票は、全国民の多数ではない。
むしろ反対、あるいは支持しない票の方が多い。
それでも議席は圧倒的に獲得される。
これは不正ではない。
現行制度の下では「正しい結果」だ。
だが同時に、それが民主主義として健全かという問いは残る。
小選挙区制は、民意を集約する代わりに切り捨てる。
一票差で負けた声は、すべて「無かったこと」になる。
その積み重ねが、
「反対多数なのに圧倒的勝利」という歪んだ風景を生む。
問題は勝ったことではない。
勝ち方である。
この勝利を根拠に、
憲法、外交、安全保障、社会保障――
国の骨格に手を入れるなら、話は別だ。
反対の声が多数存在する中で、
国の進路を一気に切るのは、あまりに割が合わない。
選挙は「白紙委任状」ではない。
沈黙や棄権は賛成ではない。
不満と諦めが混じった結果を、
「国民の総意」と呼ぶのは危うい。
勝者こそ、最も慎重であるべきだ。
圧勝した側がブレーキを踏まなければ、
国は簡単に傾く。
民主主義とは、
勝った者が好きにする制度ではない。
負けた声を、どれだけ抱え続けられるか――
そこに、この国の底力が試されている。
作品名:反対多数の勝利が、国を傾けるとき 作家名:タカーシャン



