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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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盲目はこうしてつくられた 2026.1.8

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盲目はこうしてつくられた

今回の選挙で、国民は政策を選ばなかった。
いや、正確に言えば――選べなかった。

議論はなく、設計図は示されず、
代わりに与えられたのは「安心できるイメージ」だった。

SNS上で繰り返されたのは、
是非ではなく、肯定。
正誤ではなく、共感。
問いではなく、「分かる」という言葉。

それはまるで、
感情だけをなぞるAIの応答のようだった。

否定しない。
疑問を返さない。
深掘りしない。

ただ、気持ちよく肯定する。

人は、正しいから信じるのではない。
否定されないから、信じてしまう。



この手法は、新しいものではない。
歴史上、何度も使われてきた。

嘘は、論破されると壊れる。
だが、肯定され続けると、事実の顔をする。

「あなたの不安は正しい」
「あなたの怒りはもっともだ」
「私たちはあなたの味方だ」

そう言われ続けたとき、
人は考える必要を失う。

思考は痛みを伴う。
疑問は孤独を生む。
だが肯定は、何も要求しない。

だから人は、
考える権利を手放す。



今回、国民は政治を壊したのではない。
政治を“委ねすぎた”。

検証を放棄し、
違和感を飲み込み、
イメージに判断を預けた。

その結果、
仮面を被った狼が、
ほとんどブレーキのない力を得た。

参議院は形式上存在しても、
実質的な抑止力を失い、
権力はどの方向にも傾ける状態にある。

それが善に向かう保証は、どこにもない。



本当に恐ろしいのは、悪意ではない。
思考停止の成功体験だ。

「政策を語らなくても勝てる」
「嘘でも肯定すれば支持される」

この学習が、
政権側に刻まれたこと。

これは一度きりで終わらない。
次も、また使われる。



だが、完全な闇には、まだ至っていない。

なぜなら、
この構造を「おかしい」と言語化できる人が、
まだ存在しているからだ。

全体主義が完成するのは、
恐ろしいことが起きたときではない。

恐ろしいと言えなくなったときだ。



考えることをやめた社会は、
静かに壊れる。

だが、
考え続ける個人がいる限り、
民主主義はまだ息をしている。

この文章は、
誰かを攻撃するためではない。

未来に向けた、
警告の記録である。