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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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「郵便の信頼」という砂上の楼閣

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「郵便の信頼」という砂上の楼閣

 赤いバイクが町を走る。その光景は、かつて日本の「安心」の象徴だった。しかし今、その背後に透けて見えるのは、法令遵守(コンプライアンス)という言葉が形骸化した、巨大組織の深刻な機能不全である。

 最近発覚したフリーランス法違反は、氷山の一角に過ぎない。新法への対応不足という言い訳が虚しく響くほど、この組織が抱える「法への鈍感さ」は根深い。昨年には、全国の郵便局の約四割で、飲酒確認などの点呼を怠り、あろうことか記録を改ざんしていた実態が露呈した。物流のプロとして、命を預かる輸送業者として、あってはならない「一線」を彼らは軽々と越えていたのだ。

 思い返せば、かんぽ生命の不適切販売という「顧客への背信」も記憶に新しい。収益への焦りと過酷なノルマが、現場の倫理観を麻痺させ、老後の資金を狙うような歪んだ営業を正当化させた。運送、保険、そして労働環境。どの分野を切り取っても、そこにあるのは「ばれなければいい」「形式さえ整えばいい」という、内向きで閉鎖的な官僚文化の澱(おり)である。

 日本郵便には、全国津々浦々まで荷物を届ける「ユニバーサルサービス」という重い使命がある。しかし、その公共性という「盾」が、いつしか組織の甘えに変わってはいないか。どれほど失態を演じても、社会インフラである以上、潰れることはない。その特権的な地位への過信が、自浄作用を奪い、同じ過ちを繰り返させるループを生んでいる。

 デジタル化の波に押され、郵便事業が苦境にあるのは事実だ。だが、苦しい時こそ問われるのが企業の品格である。法律を守るという当たり前のことができない組織に、大切な信書や未来を預けることはできない。
 「信頼を届ける」というスローガンが、空々しい宣伝文句に成り果てていないか。今、日本郵政グループが向き合うべきは、外部の監査ではなく、自らの内に潜む「公共の驕り」そのものである。