嘘に拍手する国は、必ず破滅へ向かう
歴史は一貫している。
戦争は、ある日突然始まるのではない。
それは必ず、「堂々と嘘をつく者」が拍手を浴び始めた地点から、静かに始まる。
事実が崩されても訂正しない。
矛盾を突かれても説明しない。
それでも声だけは大きく、言葉だけは強い。
そして人々は、いつの間にかその姿を「頼もしさ」と呼び替える。
これは偶然ではない。
不安が蔓延する社会ほど、思考よりも断定を、熟慮よりも敵意を求める。
嘘は、恐怖と結びついた瞬間に、最も強い麻薬となる。
高市人気は、その危険な兆候を凝縮した象徴である。
政策の現実性、法的整合性、過去発言の責任。
本来、選挙で最も問われるべき論点が脇に追いやられ、「強い日本」「守る覚悟」という曖昧な言葉だけが独り歩きする。
だが、はっきり言わねばならない。
「強さ」を語る政治が、国を守った例はほとんどない。
強さを叫ぶ者ほど、衝突を恐れず、分断を煽り、最終的に国民を危険に晒す。
戦争前夜に共通する空気がある。
疑問を呈する者が「非国民」と呼ばれ、慎重論が「弱腰」と切り捨てられる空気だ。
その時、社会はすでに盲目であり、自ら目を閉じている。
民主主義とは、本来、熱狂を冷ます装置である。
だが今、その装置が壊れかけている。
拍手の大きさが正しさと誤認され、人気が免罪符となり、嘘が許容されていく。
選挙とは、未来への投票であると同時に、過去の教訓を忘れないための試験でもある。
ここで思考を止めれば、次に止まるのは言論であり、最後に止まるのは命だ。
嘘をつく政治家は、いつの時代にもいる。
だが、その嘘に喝采を送るかどうかは、常に私たちの選択である。
拍手する手を、一度止めてほしい。
その勇気こそが、戦争を止める最後の力なのだから。
作品名:嘘に拍手する国は、必ず破滅へ向かう 作家名:タカーシャン



