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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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苦しみは、あとから喜びに変わる

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苦しみは、あとから喜びに変わる

今の苦しみから、何が生まれるのか。
答えを先に言ってしまえば、それは喜びだ。

ただし、すぐにはわからない。
苦しんでいる最中に「これは将来のためだ」なんて思えたら、
たぶんそこまで深い苦しみじゃない。

人生には、
「あんなこともあった」
「あんな人もいた」
と思い返す出来事が必ずある。

理不尽な扱いを受けたり、
信じていた人に裏切られたり、
もう二度と同じ思いはしたくない、
そう思うほど酷い経験もある。

そのとき人は、
早く忘れたい、
なかったことにしたい、
逃げたいと思う。

それは自然な感情だ。
弱さでも失敗でもない。

でも、何事にも産みの苦しみがある。
本当に価値のあるものほど、
生まれる前には深い痛みを伴う。

苦しみが浅ければ、
喜びも浅い。
苦しみが深ければ、
喜びは静かで、強く、長く残る。

あんな出来事や、
あんな人との出会いは、
そのままではただの傷だ。

けれど、それを自分の人生から切り離さず、
見なかったことにせず、
抱えきった先で向き合ったとき、
それは人生を豊かな実りへと変えていく。

傷ついた経験は、
人を見る目になる。
言葉を選ぶ力になる。
他人の痛みに気づく感性になる。

逃げるな、というのは、
無理をして前に進めという意味じゃない。
戦え、耐えろ、という話でもない。

自分の人生から、
その経験を消してしまうな、
ということだ。

今はただ苦しいだけかもしれない。
何の意味もない時間に思えるかもしれない。

それでも、
今の苦しみは必ず何かを生む。
深ければ深いほど、
その先に生まれる喜びは、
他人に左右されない、本物になる。

派手じゃなくていい。
比べなくていい。

静かでも、確かな喜びは、
逃げなかった人の人生にだけ、
ちゃんと根を張る。