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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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核は一発でも、世界を終わらせる

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核は一発でも、世界を終わらせる

かつて核兵器は「大量破壊兵器」と呼ばれていた。
しかしこの言葉は、いまや現実を正確に表していない。
現代の核兵器は、単なる破壊ではなく、地球環境そのものを攪乱する装置へと変質している。

広島・長崎の時代、人類は核の「爆発力」に恐怖した。
だが現在、研究者たちが注目しているのは爆心地ではない。
燃え上がる都市、森林、化学物質から発生する黒色炭素(すす)が、成層圏に達し、長期間滞留する現象である。

近年の研究では、このすすは数年から十年以上、大気中に残留し、太陽光を遮断し続けることが示されている。
結果として起きるのは、単なる寒冷化ではない。
季節そのものが壊れる。
春が来ず、夏が成立せず、農作物が育つ「時間」が消える。

さらに深刻なのは、影響が一地域にとどまらない点だ。
一発の核使用でも、世界的な異常気象、農業生産の同時多発的低下、海洋生態系の混乱が連鎖する。
研究はもはや「最悪の場合」を語っていない。
合理的に想定すべき現実を描いている。

そして近年のモデルは、物理現象だけで終わらない。
食料不足による国家不安、難民の爆発、内戦、医療崩壊。
核爆発よりも、その後の人間の行動が文明を決定的に破壊することが示されている。

つまり、核は使われた瞬間に勝敗を決める兵器ではない。
使われた瞬間に、人類が自分たちの未来を信用できなくなる装置である。

「一発でも地球は終わる」
これは誇張ではない。
地球という惑星が消えるのではない。
人類が築いてきた秩序、倫理、生活の連鎖が、静かに、しかし確実に終わる。

研究が進むほど、希望的観測は削ぎ落とされていく。
核は抑止力ではない。
文明終了装置である。